2015
10.25

モリオカ郊外の薮川までクルマを運転したのでございました。

画像には写し込めませんでしたが、風に乗って雪が舞っているのでありました。
レストハウスの女従業員たちは「初雪だ!」と窓外を眺め、嬉しいよーな、困ったよーな表情をしたのであります。

湖面が凍りつくまで間もないでしょう。

異国のごとき片側は白樺。その向こうに湖は冷たく静まっております。
景色は初冬なのであります。

温かなお湯にぬくぅと浸りたい気分であります。
隣にいるのが老母でなく柔らかなお肌をしたお女性であったなら…どんなにか。

いいえ、贅沢を申したらバチがあたるというものでございましょう。

未舗装のつづく林道をさらに奥地へとクルマを乗り入れるのでありました。風が舞い、枯葉がフロントガラスにしぶきのよーに流れるのであります。

そこは秘湯の、なんとかの湯と朽ちた板に判読不明のペンキでしるされておりました。

奥地の温泉はパラダイスなのかもしれませんですよ。混浴の湯の音が静寂と不思議な和音をかなで、聖母様のお声が低く高く子守歌のよーに響いて聞こえるのでございます。まぼろしでしょうか。

雪はときおり激しく、かとおもうと陽光が雲間から顔を出すのでございます。

「初恋ってあったのだろうか」
ふと変なことが頭をよぎったのも初雪のせいでしょうか…。

東京さ帰る時期だな、と思うのでありました。