2015
11.05
11.05
仕事の合間に、山陰で撮りためた画像を眺めているのであります。
見過ごしていた画像ってのがありまして、これもその一枚。
つまらぬ画像でございます。
けれど、これを撮った時の気持ちはこうでありました。
「この見知らぬ町に三か月ほど滞在しても悪くはないな」
懐かしい駅のホームに心を動かされたのでありましょう。
そして、流れる町の風景の中に、良さそうな飲み屋があるかどーかを見つけようとしたことも思い出すのでありました。
アパートを借り、そのガラーンとした部屋で途方に暮れている自分を想像したり、十傳スクールのために、この駅から東京へ向かうことも思い描いたりもするのでありました。
莫迦げた夢ではございますが、これも体が丈夫なうちにしたい衝動的な願望の一つなのであります。
ニセモノの住人になり仮の宿からつっかけを履いて本屋とか八百屋とか喫茶店があるなら、そこで一服する。なんと贅沢な生活でありましょう。
が、いまならヤレルのであります。
「あんや、事務所でもいがえんちぇ」という声もいたしますが、いやいや見知らぬ町でなければいけないのであります。
松江でもーー。
つい不動産屋の前で貼りだされている貸家とその家賃に見入ったものでございます。
「3万5千円か…」とか「駅に近いと7万円か」などけっこう真剣なのでありました。
子供が戦隊シリーズに憧れるよーなものかもしれませぬ。
変身願望の変形でありましょう。
むろん、その夢の底には、その町でのお女性との戯れがあるのはもちろんのことなのであります。
それがなければ夢ではありますまい。