2016
02.05

若いころ、画像のように中指と人差指を絡ませると、それはkissのサインだと一時的にはやったものでありました。

どうして? と疑問をぶつけたら喫茶店のオネェさまに「野暮なことを訊くんじゃないのよ」とたしなめられたものでございます。

おマジナイにも理由がちゃんとあるわけでして、でも一般的には理由なんてどうでもイイ事として片づけられていますです。

大黒様はもともとは大黒天インドでは恐ろしい神様でしたのに、日本に来るとお金の神様となってニコニコ顔。
由来を辿ることも面白いのであります。

では、kissのサインは…。
ほらね、裏から見ると、こうなるのでありますですよ。

じっと見つめてくださいまし。
どーです、ハートの奥でじわじわとせりあがってくるのではありませぬか?

我ながらバカなことをしているとは、もちろん自覚しておりますですよ。
自覚しつつ、こういう悪戯をしてしまうのは、それは春風のせいだとしておきましょう。

インクをどうして消そうかと困っているのは事実ですが、自然に消えるまで、しばらく一人遊びをするのも微笑ましいかもしれませんです。

脳みそが漂白してしまうほどのふかいkissを想い出しながら、次の季節の風を期待するのも、また刺激をうみだす方法なのでありますです。

「やっとわかったみたいね」
と過去からのやさしい声に耳を澄ましたくもなりました。

その指をポケットにしまい、散歩をいたしましたたら梅が咲いておりました。

「それでも春がキライ?」
となじるかのように。甘えるかのように。

キライだ、キライだ、大キライだ!

それでも春は迫ってくるのです。
ふくよかな匂いと、目に沁みる色彩と、軽やかなマーチと、不思議な引力をたずさえて。

ホケットのなかで指の腹がせつなく火照っておるのでありました。