2016
02.16

帰宅しましたら鱈の白子が贈られておりましたので、さっそくいただくことにいたしました。

さっと湯通しし、氷水で冷やしている間に、熱燗をつけました。

モミジおろしと生醤油で、吸い込むように口に含みましたところ、唾液と絡み合うように胃へと流れ込むではありませぬか。

日本酒のグラスの端っこには、白子の名残の唇の指紋が付着し、まるでお風呂の窓ガラスに悪戯描きをしたようでございます。

それから本日の鑑定のチェックをするために生年月日のファイルを取り出すのでございます。さらに断易のチェックも。

疲れたお方は疲れたように初上空亡。
可能性のあるお方は子孫爻が世爻に。まだ財運を語る妻財が伏しているところも絶妙でございます。
また、引っ越しで奇妙な物件は父母が空亡で官鬼が付され、「まさか祟りの家ではないでしょうね」と語ったことを思い出したりするのでありました。

「セックスをして絶頂は知っているけれど、男を好きになったことはありません」
と話してくれたお女性の命式には汚玉がべったりと貼られているのでありました。
「あなたはこれからどうしたいのですか?」
質問を発したのは易者としてド~だったのか。
が、彼女が涙したのは、その一言からだったわけだから、そこにポイントがあったはずだと、白子をもう一房、小皿に受けとって…。

しやわせとは、どのような形をして色はどんななのでありましょうか。
ある人はお金持ちで、ある人は周囲から拒絶され、ある人は美貌の持ち主で、またある人は犯罪を犯していて、そして、またある人は華やかな脚光をあびており。
それなのに、しやわせではないよーなのであります。

道徳もモラルもない裸の人間として眺めつつ、しかし現状から一歩も抜け出せない焦りに眉をひそめながら命式をはかっていく作業は、ことのほか重労働なのであります。

白子と熱燗。
パワーの源で胃袋を熱くさせて、さあ、また明日もです!