2016
07.03

汗ダクになっての日曜日の講義でありました。

そこに、こんなスゴイものが届いたのでありました。

マスカット。

偸まれぬよーに袋に入れて持ち帰りました。
そーして、帰宅するなり、頭から冷たいシャワーを浴び、冷房でギンギンにした部屋に大の字になって、しばしアホ面。

指先が力が蘇り、カカトのあたりが軽くなりましたから、跳ね起きて、袋からマスカットを取り出したのでございます。

一粒、もぎました。

夏の恋人。

ふと、若い頃に付き合っていた女の子たちが思い出されたのでございます。

水玉の水着とか、ざっくりと編んだオレンジ色のサマーセーターとかも。

手のひらで宝石のようなマスカットは、水滴をはじきながら私メに食われるのを待っているのでしょうか。それとも怖がっているのでしょうか。

それぞれに結婚し、それぞれに子供をつくり、そしてそれぞれに何かを後悔しているはずであります。

あれから何回ウンコをしたのでしょうか。
何回、セックスをしてのでしょか。
吸った煙草の長さはどれほどになのか。

摘んで本に挟んマーガレットの花は、その文庫本が残っていたとしても、もう茶褐色にひっからびているでありましょう。

手のひらで一粒のマスカットは魔法の水晶みたいに忘却の想い出を、束の間、見せてくれるのでありました。