2016
07.14
07.14
「辞書を引いたんですけど、オノさんが良く使っている『濁情』って言葉が載っていないんですけど」
なんて声がこざいます。
造語でありますから、辞典に載っていないのは当然カモであります。
「純情」に対しての言葉としての関係を「濁情」だと意識しておりますです。
純情は、お金とかの欲に支配されない愛情でございます。
「お前といっしょなら、お金なんていらない。メジャーにならなく立ってかまわない」というヤツであります。
とてもとても、おしょしいのでありますが、10代の頃、私メもこの口から、この言葉を発した過去がございますです。
この世は様々な欲がございます。お金だけではございませぬ。性欲から食欲、名声欲、支配欲……。百八の煩悩があるそーでありますが、欲には際限がございませぬ。
純情は、そのうちの一つの欲に専一なのでありましょう。
つまり嘘の欲であります。
「お金なんていらない」
と、口からこぼれたということは、お金をひどく意識しているというワケでありますから。
濁情は、欲に汚された本当の純情かもしれませんです。
ラブホで肉欲の限りを尽くしたあと「お腹空いたね」とラーメンの大盛りで食欲を満たし「マックよ潰れよ」と指を指して破壊欲を発散させ、「服でも買ってやるよ」と相手の物欲を満たしてやり、こちらは飼育欲で中和させる。濁情こそ愛情に沈んでいるホントの気持ちではあるまいかと思ったりいたします。
愛情がなければ、肉欲を満たしたならば、いちはやく相手から逃れたくなるからであります。