2017
03.06

発売した時には、すでに完成していたのでしょうか、「サッポロ一番みそラーメン」は、私メが高校生の時分からあったよーに記憶しております。

いろいろな新発番されたラーメンを浮気しつつ、やはり最後に、このラーメンに戻るのでございます。

納戸には、このよーにイザという時のために、ラーメンがストックされているのでございます。イザという時と言っても、震災などのためなどではございませぬ。
そんな野暮なためのモノではなく、「食いたーい」と思うのは、まったく不意の現象で、それがイザの時。

あたかも夜更けに、酒を飲んでて、突如としてお女性に逢いたくなるよーなモノでしょうか。
こいつでもない、あいつでもない、あれしかいないのだとアドレスを開いていくのと似ておりますです。

夜更けに、小鍋にお湯をことこと煮立てる侘しいしやわせ。
そして、
三分間待つのだぞ、などと古いCМの文句を唱え、唐辛子や割り箸を準備するひなびた幸福感。

目が潤むほどの懐かしいお味。
やっぱり、サッポロ一番は、たまりませぬ。

役所広司になって、食いながら、顔を上げ、
「嘘だと思うなら食べてみてください」
と独りジョークを呟くのでありました。