2017
06.26
昭和70年代という時代があったのかどーかは分かりませぬ。
モリオカからUターンの途中に、とある都市に立ち寄ったのでありました。
ぶらぶらと歩いておりましたら、目に止まったのが、このサンダルなのであります。
小菅の拘置所で囚人の皆様が履いていたサンダル。
罪人かもしれませぬが、単に法律を犯しただけのこと。
そういう人々が、こーいうサンダルを履いていたのか…。
シャバで履こうとすると1万円もするよーであります。
が、その値札よりも、記憶を刺激する何かがスパークするのであります。
ギャンブル宝典の本誌に、「宝塚記念ではキタサンブラックの連勝ストップの呪いをかける」なんて意味の記事をかいたら、「オメのせいだ!」と9着に敗れた腹いせのメールが届きましたが、そーいう不気味なカンではなく、いやいや、それはそれで爽快ではありましたけれど、問題はこのサンダルを、どこかで目撃したという記憶であります。
ああ、そーだ。
2か月前に訪れた北海道は網走の監獄ミュージアムでありました。
そこで私メは4時間滞在し、激しく魅了されたのであります。
もっと見学したかったのでありましたが、釧路の宿に帰る列車の時間が迫っておったのであります。
それはともかくとして、デジカメの画像を遡りましたら、ありました、ありました。
檻の中のオバちゃんに注目してくださいまし。
ほーれ、ほれほれ。
オバちゃんがちゃんと履いているではありませぬか。
1万円のサンダルを。
…だからどーしたと問われても困りますです。
占いで出た、未来の判断を述べまして、きょとんとされたのと同じよーなことであります。
分かっている人には貴重でも、興味のないお方にとってはまるでバカげたことなのであります。
私メにとってはぞくぞくするほどの再会なのでありました。
その地方都市で新幹線を降り、待ち合わせの時間までの暇つぶしに歩いて目についた店先で、かようなサンダルを見つけ、それが2か月前に目撃したこととつながっているというのは、お女性の性感帯のアナルのツボを知ったよーな誇らしいことなのであります。
やっぱりサンダルを買った方が良いのか、網走監獄の人形と化したらいいのか、これはバカげた妄想でありました。
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2017
06.24
岩手山の眺望のきく旅館の一室で、怠けているのでありました。
なにもかもが遠い世界のことだったような気がいたします。
風呂に入ってから、連載の仕事をちゃちゃちゃと片付け、あとは料理に箸をつけつつ酒を呷るだけ。
法事の親族とは離れた部屋ですので安心であります。
手ぬぐい掛けにかけた手ぬぐいから温泉の匂いが部屋中に満ちているのでございます。浴衣の背中にかいた汗が、ここちよく冷え始め、ふと脈絡もなく南国に思いを馳せたりするのでありました。
「皆様がお呼びですが」と電話があるのに、若い仲居さんが戸の外から声をかけるのでありました。
「寝ているらしい、と伝えて」
嗄れ声が、まだ残っているので、こういう雰囲気では渋いのであります。
窓を開けますと、初夏の空気が入ってまいります。
「すべてはどーでもイイことなんだよな」
もういちど呟くのであります。
それから明け方に見た夢を、かみしめるように思い出すのでありました。
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2017
06.23
東京では、他人の生年月日をもとにして収入を得ている私メでありますが、郷里では、身内の命日に忙殺されるのであります。
老母の趣味は、葬式と法事と墓参りなのでありますから。ウキウキと浮き立つのであります。
「あや、今日は佐賀美ネェさんの祥月命日だぁーん」老母に言われまして、人里離れた山奥の墓地まで参りました。
佐賀美ネェさんとは、亡父の姉、つまり伯母であります。
死んでから41年目でありました。
昨日から、じつは気づいていましたが、言えばおそらく「連れてってけねえんか」とお墓への運転を頼まれると確信していましたので、トボけておったのであります。
いちにちムダなるわけであります。
が、結局は、山を越えて北上山地が、木々の間に間に眺められる墓地に。
<サガミオバシス>という電報を大久保のアパートで受け取った時の記憶は鮮明であります。23歳だったかの勃起盛りの頃でありました。お女性の忘れてった赤い傘をさして、雨の夜道を濡れながら、大久保駅の公衆電話まで走り、詳細を聞いたのでございます。
明日もまた別の法事。
享年月日の占いは…と考えましたが、何を占えば良いのでありましょうか。「死後占い」も面白いかもしれませぬ。
あるいは、身内の享年月日で、残された家族の行く末を予言するというのも斬新でありましょう。
悪徳占い師が多数出現しそうな気も致しますです。
「おいおい」
とクルマに戻る私メに声をかけた亡霊がおりました。
「分かってる、分かってる」
と、伯母の夫の与一郎氏のために、墓に戻りタバコを一本供えたのであります。
タバコを吸いたいと言いつつ死んだ義伯父でありました。
この伯父が死んだのち、1年と数日して、伯母は急死。
なにか因縁がありそーであります。
フーム、享年月日占いか…。
開眼!!!
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