2017
07.13

バカバカしくなり仕事を放棄し、電車に乗ったのであります。

午前中の下り電車は気持ちよく空いていて冷房も強めに効いておりました。

車内の方々を眺めますと、どれもこれも不幸を背負っているように感じましたです。
「ああ、自分がこいつでなくて良かった…」と、しみじみ思ったりもしたのであります。

では、視線をお女性に限定し、恋のお相手をしても良いかな、と感じられる人は何割いるかと観察することにいたしましたです。

五つ先の駅まで、なんとゼロパーセントでございました。
皆無なのであります。

別段、厳しいチェックで振り落としたのではありません。

夏なのに、いいえ、夏だからでしょうか。
暑さを忘れて抱擁できるかのチェック機能が無意識で出来上がっているのでありましょう。

カバンの中で携帯電話が何回か鳴っておりましたが、すべて無視。メールも無視。

いつしか雷雲が光を吸い取り、窓ガラスに雨粒がはしりだしました。
田園が稲光で白目をむきましたです。
そして豪雨。

いいぞ。いいぞ。

おもむろに断易の資料を開き、老眼鏡を取り出すのでありました。