07.21
西瓜は、最初の玉は小さく、蔓の最後に出来るのが大きくて甘いのであります。
四柱推命の命式でも、そういうものがあり、つまり大器晩成型というのでありますが、この夏は、男梅雨であったこともあり、水不足気味で、たとえば甲日や乙日の夏月生まれの水のすくない命式を、ふかく考えさせてくれるヒントになるのでありました。
それにしても、ちょっと日盛りに出ただけで、汗が吹き出し、シャツが台無しになるのでございます。
事務所で、まずはせっせと洗濯をするところからスタートしています。
食いすぎるとピピーッとなりますからご用心であります。
十傳スクールの初期の頃、おやつにスイカを皆様に振る舞ったことがございます。
そしたらば…そしたらば…であります。
お年寄りの受講生の顔色が、みるみる青ざめまして、泳ぐようにトイレへ。
さあ大変だ! と私メは、彼女の熟音をかき消すように、大声で怒鳴るようにして講義を続行いたしました。
が、遠くからクタクタ、ピピーッ!の激しい悪戦苦闘の、ぶっ濁音が。
皆様も、大声をふり絞る私メと同じく、講義に集中している様を装うので精一杯なのでありました。が、なぜか水を打ったよーに教室は静まり返り、聞きたくないのに耳だけが、かってにあちらに向いているのでございます。なんとも切なくハラハラしどおしでありました。
体力を失い、いささかやつれ気味で、ご老体は、机に戻るのでありましたが、ものの五分も経たぬのに前かがみにトイレへ。
必死ですから、他の受講生のノートを床に落としても、謝るような余裕はない風情でありました。
ドアが閉まると同時にふたたびの異音。
「音がきこえませぬよーに」と願うがごとく、私メは額に血管が浮き出るほど、さらなる大声を張り上げ、ついには酸欠で倒れそーになったのでございます。
講義終了後、おそるおそるトイレの蓋を開けましたが、さすがエチケットを御存じのようでありました。もちろん念のために雑巾がけいたしましたけれど。
それ以後、スイカはお出ししておりませぬ。
めでたしめでたし。