2017
11.09

立冬も過ぎ、本格的な11月です。

精神が充実し、集中力が冴えている感じです。

古い新聞紙にくるまった不思議な書物をあけるトキメキは、ずいぶん忘れていた、ひとめ惚れの気持ちに似ていないこともありません。

書物に書いていることを、すべて鵜呑みにする愚かさは危険極まりない行為だとしても、信じてみるのも楽しいものであります。

陽光は淡く涼しく窓を通り抜け、壁の一隅にやわらかな陽だまりを与え、中世の世界に転移した感じであります。

死んだ人の名前、死んだ人と遊んでいる一枚の写真。死んだ人とかわした手紙。

それはエロチックと紙一重のかんじで、胸を暖めます。

西洋の呪文、東洋の呪文。
指まじない。数字の神秘。漢字の呪い。骨でできた骰子。蜥蜴の木乃伊。乾燥花の匂い。鏡。経済学。哲学。化学。超心理学。催眠術。

11月は狩猟月。

好きなことに没頭できる、自分の運命に、感謝するのでありました。

初恋のお女性の棘のある言葉も、ずいぶんとむかしの事のよーな。
「どうでも良いこと。くだらぬこと」
やがて日は沈み、夜の闇がおとずれ、難破船のような部屋で、蝋燭の灯りをたよりに、運命学の書物を漁ることができたら、これ以上のしやわせはないのでありますです。