2017
12.08

仲の良かった者たちが、いつしか冷えた関係になるのは良くあることであります。

近所に、中国人が経営する料理屋がございました。

たまに立ち寄り、なごやかな関係でありました。
それが、ある時を境に、たとえばスーパーなどではちあわせると、たがいに睨み、そこに日本刀があったならば、首を切り落としてやろうかという険悪さに変化したのでありました。

その、関係が一瞬にして悪化した「境」とは、尖閣列島問題でございました。当時の、都知事が目立とうとしたのか、余計なことを言いだしたものですから、和人と支那人が対立するよーになり、それは個人同士にも及んだのでございます。

私メは幼い頃から、中国人を、根拠なく軽蔑していますが、個人的な場合は例外なのでありました。
東日本の震災までは、伊太利人もいて、三人で飲んだりもしたことがございますです。

差別用語もジョークとして許容されていたのであります。

その店は、先日、潰れたのでございます。
支那人も、支那人の奥さんも行方が分かりませぬ。

尖閣列島発言から、こっち、近所からも嫌味をされていたのでございましょう。
次第に人も絶えて、店は左前に傾いていたよーであります。

「いいザマだ」
と吐き捨てていたのでございましたが、この空虚を眺めると、自分の愚かさを写す鏡のように感じられるのです。

こういう経験を、ずっと前、小学生の頃にもしたような気がいたします。友達だったはずの級友とであります。
恥ずかしいような情けないような。

「まぁ、反省してもしようがない」
出会い頭に、憎みあうよりはマシだったのだ。
仲良くしたときもあったのだから。

暴風雨になってほしいのでありました。