2018
02.17

しまいは必ずやってくるのであります。

努力も頑張りも虚しく、まるで雷雨の如くやってくることもあるし、ピアノの旋律のように緩やかに訪れることもございますです。

春が寒いのは、そのせいかもしれませぬ。

満腹になり、しかし、立ち去るにも惜しい気持ちが残るとき、最後の一貫を何にしようか。
私メは、お新香巻きを、卵焼きをきってもらい、ちびりちびちりと口にいたしますです。
それでも、なお心残りを覚えたならば、マグロの赤いところを握ってもらうのであります。

そして、まだ淋しく感じることがございます。
けれど、それ以上はいけませぬ。

それ以上は未練になるのでございます。
ばかりか、みじめたらしいのでありますから、
「お勘定…」
席を立つしかございませぬ。

そーして、コートの前を開けっ放しで、夜風に吹かれるのであります。

すると、やはり終わっていたことに気づくのでございます。

「明日が待っているなぁ」
もはや、なにを食ったのか、それすらも忘れるから妙でございます。

寿司のことを語っているのではございません。