2018
03.09

久しぶりに道場に赴いたのでありました。

28才の若造に、50数余回対戦し、一度も一本も取れずにいて、スッキリしなかったからであります。

ちと長めの袴を着用いたしました。

こやつに勝つための秘策を冬の間、思考していたのでありまして、長袴は、その秘策のひとつ。

秋から冬は、いろいろとございまして、痛風にも見舞われましたが、このところ、親指の具合が癒えまして、時がきたことを知ったのでありました。

さて、いつものよーに、奴は正眼。私メも正眼。
ここで奴は、小手を打ちに来て、やられていたので、間合いをひろげて立ち会いました。

そして、むかで。むかで。むかで。ムカデ。百足。

するとキャッの目にわずかに驚きの色が、面の鉄格子ごしに見えました。いつの間にか、間合いが迫っていたからでありましょう。彼奴が後退しよーとした、その隙をついで、抜き胴を決めましてございます。

四段者からの初めての一本。
つづく二回目も連続して一本。

師範が
「どーしました?」
との声に、
「いやいや」

占いもまた、じわじわと考えているうちに、いつか突如として、急速の進歩を見せるものでございます。
ちょぴちょびと上達するのは嘘であります。

開花には個人差がございますが、かならず自分なりの方法を見つけ出すのでございます。

すべて春風の如し。