04.18
雨上がりは、やっぱり気力が失せるのでした。
しかし、いつまでもグダグダしているのは人生の無駄遣いだとケチ臭くなり、自転車で美術館まで参ったのでございます。
すでにツツジの花が群れながら咲き狂っておりました。
触れると強い粘着力のある蜜が、
「行かないで」
みたいに未練がましいのでありました。
占いばかりしておりますけれど、分野外の知識も必要なのであります。
絵画、音楽、医学、経営学、法律など基礎的なものを齧っておくことはとても大切なのであります。
サイの目や、干支や、星の動きだけで判断してもイイかもしれませんが、しかし、それだけではリアリティに欠けてしまいますです。
お金の流通、出世するためのノウハウ、薬の副作用などを、ちょっと知っておくだけで占いに現実感が加算されるのでございます。
近代版画を見たとて、すぐには活かされることはございませぬが、いずれ体内で他の知識と化学反応をおこさないとも限りませぬ。
浮世絵、浮世絵と騒いでおりますが、じっさいはどーでありましょーか。明治以後に外国人の価値観に合致しただけで、本当に良いものだと思っているかは、これは自分の心に聞いてみるしかありませぬ。
宮沢賢治の一連の童話もしかりであります。
「心に響いた」
というモノが世間では評価されていなくてもかまいませぬ。
展示室の片隅で、日陰の花のよーに咲いている作品を見つけることは、占いの依頼者の真実を理解することにも通じているのだと思うのであります。
そして、なぜ、その作品が心に響いたのかを、自問することも無駄ではないのだと思う次第でありますです。
美術館を出ましたら初夏になっておりました。
雨になっておちた水滴が、いっせいに空に帰っていくのでありました。
気圧の変化がもたらす、軽いはきけはありますが、版画師たちのエロのよーなものを受け止め、どことなく足取りも力強いのでございます。
自室で仕事の続きが出来そうであります。
もちろんクーラーをかけながら。