2018
05.30

実家の北西の離れに納屋がございまして、このたび、そこを取り壊し、私メのモリオカでの仕事場にしようと、ガラクタを整理していたのであります。

出てくるわ、出てくるわ。まったく無用な、過去の様々が箱の中から。

その一つが、膨大な写真なのであります。明治から昭和30年に至るまで、よくぞ、虫にも喰われずに過去は生きながらえておりました。

ほとんど死んだ人。
幼き私メの姿もあるのでありました。こーなると、結婚式の写真も不気味です。

この殺意の目付。
トンボを捕えようとしている一瞬は、幼きものの目付ではありませんです。

こういったものをいちいちチェックしながらのお片付けですから、作業はいっこうにはかどりませぬ。埃でクシャミや咳の連発。

いや、なにしろ、モリオカに来る前日、茅ヶ崎で90歳の老女が車で数人をはねて一人を死亡させたという事故がございまして、
「予兆ではないか」
老母も同じ年で運転をいたしますです。
記憶が混濁する場面にもしばしば直面しておりますです。

となるとモリオカ滞在を頻繁にせねばなりませぬ。
が、実家の自室は、冬は寒く夏は暑く。
母屋のリノベも考えましたが、それよりは納屋に手を付けた方が楽なのでございます。

明日も作業は続くことでありましょう。
なにが飛び出してくるか。
百年のチリや埃まみれになることを覚悟せねばなりませぬ。