2018
06.30

父親からの相談であります。
「25歳になる独身の娘は高校の教員なのでありますが、最近、帰りが遅い。休日なのに出勤し、夜の10時になっても帰ってこない。どーしたのでしょう」

うら若い娘殿を持つ父親というのは、こうも心配になるのでありましょうか。男たちに弄ばれているのではないかとか。AVの見過ぎかもしれませぬ。

「いえいえ、お父さん」
とは申しても私メよりは若いのであります。
「男たちと自分をいっしょに考えてはいけませんって」
となだめながら解読するのでありました。

世爻の午の兄弟爻が、娘さんであります。
ここで「えっ?」と驚いてはいけませぬ。
「んだって、父親の相談なんだから、娘さんは当然、子孫爻でしょう」
などとの反論は小賢しい!

断易において用神を決めることはとても大事であります。

が、子供だから用神は子孫だと決めつけていては当たるものも当たりませんです。

ーーとは申しましても、初等科の皆様には、ここまでは要求いたしませぬ。なにしろ、これは作成し始めた「断易随天」であり、高等科の次の内容でありますから。

で、世爻がなぜ娘さんか。
上爻の戌が動いておりますでしょうに。

つまり動墓なのであります。
動墓とは、煩わしいことに手を焼いている意味であります。
上爻は玄武。つまり質の悪い生徒のために奔走していることを、断易の女神は動墓という形を作って示しているのであります。

父親殿の考えているようなことではございませぬ。

この戌の子孫は亥の官鬼を化出。
後日談でありますが、この生徒は少年院送りになったということであります。

断易の難しさは、頭を柔軟にして卦に対応することであります。
これを通変とも変通を利かせるとも申しますです。