2018
07.08
07.08
神社というテーマパークは、七夕の日は激しい行列ができるほどの盛況ぶりでありました。
パワースポットの流行にいちはやく目を付け、神事をスマートに簡略化し、そこで演奏とともに食事を楽しめるイベントとして目を付けた慧眼には感心するものがございます。
お守りやおみくじにも工夫を凝らし、新しい世代は、もはやカビの生えた祭りから脱皮しているご様子なのであります。
「これでなくてはならないのだ」
心地よい音色で鼓膜をなでられる手風琴に感心し、胡弓が奏でるもの悲しい響きに、とおい世界を夢想し、懐石料理に舌鼓をうつのでございました。
二時間の異次元世界体験でしたけれど、多くのモノを学ばせていただきましたです。
辛気臭さのない透明感は、まるで屋内墓地の感覚であります。
が、人は不安や、日々の悩みからの救いを求めていることは未来永劫変わることはございますまい。
その異次元体験を凄いと感じたのはディズニーランド世代の心を鷲掴みする趣向の数々なのでありました。
「軽い」
と一言で非難するのは簡単であります。
けれど、軽さと同時に存在する、儀式を楽しく俯瞰させるツーリスト的な満足感は何なのでありましょう。
「ああ、もっとどでかいヤツをやってみたい!」
無料で振る舞われるワインを七杯も呷りつつ、いささか嫉妬した七夕の夜なのでございました。