2018
07.16

神田には戦争で焼け残ったよーな建物が、いまだに解体されずに残っているのであります。

当時は文化住宅として流行の最先端の建物だったのかもしれませぬ。

分筆して所有者が複数いて、その所有者の所在がつかめないために、解体することもままならず、残存せざるを得ないのでしょーか。

十傳事務所も、いぜんは、こーいう古い建物の二階を借りていたのであります。幽霊のよーな事務所でありました。

古い木材が腐った臭いのする、ネズミ駆除が定期的にある事務所でございました。

1997年から2001年の4年間、その幽霊屋敷が事務所だったのであります。それから別の建物の、こんどは8階のペントハウスに移り、そこもまた幽霊屋敷でございました。
女占い師の幽霊が、室外機に座り、髪を風になぶらせていたのを目撃したのも、ペントハウスの想い出なのでございます。

あの頃は、個人鑑定はほとんどなく、雑誌や書籍の執筆だけを仕事としていたのでございました。

美人のお手伝いさんを雇っては失敗したのも、当時の想い出なのでございます。

失敗と申しましても、お手付きをしたのではございませんよ。
完全にナメられまして、無断欠勤、日々の遅刻等々、それはすさまじいモノでございました。

時は流れるものでございます。

いまいましいオリンピックという名目のもと、東京は変えられております。絶対に失敗してもらわねばなりませぬ。

亡霊屋敷をたまに通りかかります。
しかし、なにもかも嘘ではなかったかと信じられぬのであります。