2018
08.15
08.15
他人の自転車がひっくりかえっております。
病葉が風に舞い落ちて、
「夏も盛りか…」
とか思わせるのでありました。器満即傾とかなんとか言葉が浮かばせるのでありました。
鼻毛に白髪が混じったり、寝そべった乳房のわきの脂肪のたるみとか、それらは老いの始まりですが、この酷暑も底力が失われていることに気づいたりするのでした。
休みなく働き、本日は家におります。
そーしたら東海道線がストップしているニュースがありました。
人身事故が原因とか。
「ツイている」
と指を鳴らしましたが、最近、いろいろなところで人々が絶望して鉄道に飛び込んだりしているよーでありますです。
これも盛夏の特徴でして、変化する季節に生き物の心がおののき始める訳であります。
すると、それは占いの季節の到来とあいなりますです。
失恋、事業の失敗、借金、病気、未来への不安、それらが心を乱し、常識の枠内の知識及びアドバイスでは処理できなくなるまでに膨らんで破裂するのでありましょーか。
前を見ても、後ろを見ても、横っちょを見ても、心臓の空砲が頭蓋骨を震わせるほどの淋しさの恐怖を打ち鳴らし始めるのであります。
枯葉だけでなく、乾いた蝉やトンボの死骸が舗道で風に吹かれ、支えを失った心身が叫びだすのでございましょーか。
他人の自転車のわきの病葉。
晩夏の象徴の一つでございます。