2019
06.29
06.29
画像は、その白ギツネさまのおみ足。
ミイラではありますけれど。
「御眷属ミイラに願い事を唱えると、稲荷大神に伝わり叶うとされている」
とのことであります。
叔母の命日に近かったので、モリオカからクルマで一時間ほどの場所にある犬渕という辺鄙な場所にある寂しい墓所を参り、その帰り道、ふと立ち寄った神社に、そのミイラがあったのであります。
1954年9月26日の台風15号によって、この神社の、樹齢八百年の御神木が倒伏したときに、その老木の根本の空洞から、御眷属のミイラが出てきたとの由。
たしかに全体はミイラ。
白いケダモノっぽく、この脚はたしかにキツネっぽいのでありました。
夢中でシャッターを切ったので、つい願い事をすることを忘れてしまいましたです。
境内に人影はなく、手水も枯れておりまして、ヤル気のないところが微笑ましい神社なのでありました。
「盗まねば…」
その思いが浮かんだのは、ふたたびハンドルを握り、ラーメン屋でタンメンをすすっていた時でありました。
無防備のミイラでありますから、その気になれば、いとも簡単に自分だけのモノにできるのであります。
「愚かな者に拝まれるより、私メ一人のモノにしたい」
と思いは強さを帯びてまいりますです。
ああ、いまも心臓がときめいておりますです。
そとは夜の雨。
御眷属さまが呼んでおりますです。
「わたしを拉致しにきて…」と。