2019
09.19

昼と夜の時間が等しくなる時が来ておりますです。
上空は西から東へと雲がうごいておりますです。

かなしみも喜びも、すべて去りゆくものと時の無常を天は告げておりますです。

たった今の出来事が、
「あれは一週間前だった」
「もう一カ月も過ぎたのか」
「5年前のことなのか」

思い出すたび、語るごとに現実は物語に脚色され、不確かな記憶として定着されるのでありましょーか。

恋愛も同様。

モラルを持ち出すのはせいぜい50代まで。
老いさらばえるとともに、死という時間が迫ることを思えば、人間が勝手に作り出したモラルなど上空を過ぎる雲のよーにちぎれ飛ぶのでございます。

そして、地には切ない営みが繰り広げられているのでございました。

秋の訪れに、死の予感が確実になった2匹の生き物は、まるで亡びにの神に懸命に訴えるかのよーに離れよーとはしないのでありました。

新しい命をはぐくむ行為になるなどとは思ってもおりますまい。
たえられない激しいさみしさが、お互いの肉体を溶け合わす行為へとはしらせるのでございましょー。

地の草むらには、そーいう生き物がかぎりなくつながっているのかもしれません。まだ相手を見つける事の出来ない生き物も大勢いるはずであります。

いま、いま、いま。
過去とか未来などという観念どころではなく、今、いま、いま。

滑稽さに真実があり、恥ずかしさに恋があるのであります。

冬の序曲はやっと始まりましたです。

2019
09.16

向かって左が、在りし日のジョルノでありました。

死んだのであります。

金曜日から、食欲がなくなり、
「どーも変だ…」
と、朝の歯磨きのとき、抱き上げたら、死の鼓動が手のひらに伝わって参りました。

何匹も知っておりますから、これはダメだ…、病院にいくだけ苦しませることになると直感いたしました。

土曜日は、スクールはお休み。
さみしくなるほど軽くなったジョルノを膝に抱き、仕事をしていました。

おそるおそる占うと、
随官入墓。

断易では大凶の卦でありました。

そして、日曜日の朝、硬直して冷たいムクロになっておりました。

満九歳。

生後一年はもたないだろうと、ずっと前に獣医から宣告されておりましたから、十分だろうとは思うのであります。

死の前夜、私メの前に近づいてきて尻尾を振るのであります。
頭を撫でたら、いつもとは違う温もりがあり、
「サヨナラ」
と伝えたかったのかな。

嘔吐のあともなく、尿もなく、舌をわずかに白く歯の間からのぞかせ、わりあいに楽に、眠るように死んでおりました。隣で寝ていたロメオが、ひとりで死んでいったジョルノの毛のない背中を舐めて困ったような表情をしておりました。

日曜日の断易NEXT科の講義は、こーした背景で行われ、朝9時に火葬屋に渡したムクロは、今頃は骨になっているはずだと意識のよこっちょにはためいておったのであります。

11時からの講義で助かりました。東京へ向かう東海道線で気持ちを立て直しました。

受講生の一人に、犬の餌をいただき、
「もういないんだ、死んだんだよ」
とうったえたかったのですが、「人も食えるのかな」とおどけたのでございます。

人と悲しみを共有したくないという思いもありましたが。

おもうぞんぶん、くるしさを満喫し、いまやっとブログUP出来るのであります。

2019
09.14

朝の神楽坂は散歩に最適であります。

仕事人は忙しそうにメシを食い、職場へと急ぐのであります。
夜のいでたちとは異なり、
「ははぁ、上下で八千円はしないな」
と、それでもオヒャレっぽく着こなし、眉間に剣針紋を刻ませて、のどかに散歩している私メにぶつかるような歩き方をするのであります。

それも虚しいのでございます。

やがて時が経てば、皆様もジジィ、ババァと老いさらばえ、次のしかめっ面世代にバトンタッチするわけでありますから。

「いま」が、どれだけ大切なのか認識するような年齢になってはお仕舞いかもですね。

飯田橋まで坂道を下ると、カナルカフェ。
カナルは水路とかの意味でありましたね。
お仏蘭西みたいでロマンチックなのですが、この時期は蚊に悩まされるという現実が待っているのであります。

散歩という行為は、人生とか運命などを考えさせられますです。
たとえば、先ほどの剣針紋のお女性は、人生のほんの短い期間に付き合った関係だと仮定したり、下り坂は、楽に人生を送っていた時期だとか。

仕事人とは簡易もなくブラブラしているということは、無頼の人生なのかと改めて痛感いたしますです。

でも、けっしてサボっているわけではなく、これでもテキストを作成したりして、朝から疲れ果てているのであります。

散歩は、どこかで戻ることが散歩なのであります。
東京大神宮という、縁結びの神社を折り返しの場所として、境内で一休み。

「なるほど、神頼みするわけだ」
同情したくなるお女性の群れに中に、美貌の男子が一人。
なんと、
ウィンクするではありませぬか。

吐くか殴るかであります。

が、疲れ果てておりましたから、すたすたと足早に退散。

おかげで、靴擦れができましたわい。