2020
03.23

乗車客がほとんどいない無人に近い新幹線は、ミストのよーな雪の中をモリオカ駅にすべり込んだのでありました。

春の日差しと小雪の織りなす清冽な大気。

まだ中国肺炎の疫厄から免れている街なのであります。
桜は郡山付近でとだえ、新芽がもえだす手前の枯れ木状態のまま、はだかの大気がモリオカを包んでおるのであります。

前回…つまり先月は、
「モリオカにもう来れなくなるのでは」
その予感はぬぐわれました。

が、次なる危機に対応するために、コメの確保、水の貯蔵などが、この度の目的なのであります。すでにマスクは1月に求めております。
「どーせ使わねおん」
と老母が手を振って受け取りませぬゆえ、これは近所の方々に配布することにいたしましたです。

「おかぁちゃん、今年は芋を作るぞ」
と、昨年完成した私メの離れの隣の空き地を指さしたのであります。
「盗まれないよーに電流の柵をめぐらすぞ」
「あんや始まったぁ。うっとうし~」「

が、この日は家庭内備蓄に走ることはできませなんだ。

その電気がストップしていたからであります。

ウンコをたれよーと便器にしゃがんだ瞬間、イヤな予感がしまして、「大」のボタンを押しましたが、水が流れませぬ。
出口まじかに迫っていた大便を肛門筋を占めて直腸に戻しまして、業者に電話。
一階の冷凍庫は、水浸し。冷凍食品が溶けていたのであります。

どーやら先週のモリオカの暴風雨が原因のよーでございました。

事なきを得たのでありますが、ところが、今度はWi-Fiがつながらなくなっているのでありました。

「原因追及はいいのだ」
と、大便後、30キロのスピード違反をしてイオンに駆け込み、担当者に、
「新しいヤツがありましたね」
airターミナルを買い求めたのでありました。

中国ではイナゴが襲ってきているとか。農作物の被害が出ているとか。アヒルを離してイナゴを食わせる対策に出ているとか。
デマかもしれませぬが、
私メの立てた断易の卦は、初上のみ動いて空亡。丑辰未戌の四土全具。それらが官鬼。子孫は伏しておりますですから、油断はできませぬ。

「中国人め!」
と毎春、花見にくる中国団体客を睨み、ビッグハウスというスーパーでは彼らに難癖をつけ、
「勿来から北には来るな。モリオカの古い地名は不来方なのである」
怒りで放屁をプスプスと漏らしながら憤るのが春の習わしでしたが、今年は大丈夫。
勿来は「来るなかれ」。不来方は「来ぬ方」。
私メの閉鎖思想は、ここらへんにあるのかもであります。

疎開初日は、まぁ、そのよーに終わりました。