2020
04.13

スクールのある日は、原則としてランチを抜くのであります。

だから、腹ごしらえをするために朝食は、ちかくのファミレスでスクランブルエッグのセットをライス大盛で注文することにしておりますです。

が、ライスに対してオカズが足りませぬ。

そこでファミマで買い求めたハッシュポテトを、こっそりとお皿に乗せるのでありました。
店員に見つからぬよーに、レタスで隠すのであります。

この、しやわせ感はたまりませぬ。
こそこそと隠れてする仕草に、しあわせが、テンコ盛り。

びちゃびちゃになるほどかけた醤油の甘さが食をさらにそそるのでございます。

完全リモートの日は、カメラに向かっての講義ですが、やはり受講生の皆様を前にするのと、気持ちは変わりません。緊張するのでございます。

ひとりでボードに補助的な説明文を記し、エロジョークを飛ばし、
「こんなことがありました」
親戚たちの話題を織り込みながら長時間に及ぶ講義でありまして、「ひとりで何をしているのだろうか」と首をひねることもしばしば。
しかし、ランチをする腹にはなりませぬ。

きっとラジオのデスクジョッキーもこんな感じだろうかなどと頭の隅において、そのノリを手本にすることもございます。

そーして講義を終え、うす暗くなった部屋で、カメラやPCをコードを片付ける時の、言いようのない虚しさは、はじめての心の体験であります。

痛いほどの空腹であれば、その虚しさはさらなるものかもしれませんけれど、ハッシュポテトが腹に残っているせいか、空虚感までにはいたりませぬ。クリーナーで部屋を掃除する余力もございますから。

やがて、世界に蔓延するウィルスは煙のよーに引き、ふたたび日常が戻る日がくるはずであります。
流行とはそーいう性質だからであります。

ネットの書き込みは身勝手な自我だらけですから、読まないよーにしております。
「休業の保障は30万円だけか」など、まだまだ保障金がたりないと騒いでいるよーであります。

でも、国に対してでも、たかりゆすりのよーな真似だけはすまいと思っておりますです。苦しくても自分のことは自分で決着しよーという愚かな美学かもしれませんが、そのよーに決めておりますです。誰にも使われず、誰をもつかわずという当初の姿勢をまもるために、保障という名のたかりだけはすまいと誓っておりますです。

ハッシュポテトをレタスで隠して食う、うしろめたいヨロコビは、秘密の恋愛をしているよーで、自分の美学をこちょがすにも似たくすぐったさがありまして、しやわせ感をより増幅して、止めることは出来ないのでございます。