2020
06.24

湖畔をぶらりと散歩しに出かけました。
ここにも群生して花が咲いております。

ちらほらと同じく散策する人影があるばかりで、世界が疫病におののいている現実をよそに、
「遠い現実だね」
ほかの惑星ではないかと錯覚するのでありました。

そういえば鳥インフルエンザがございました。その時は「白鳥に餌を与えないでください」の立て札がいたるところに土手に刺さっておりましたです。

知らない人が、
「おはよーございます」
知らない人の勝手な呼びかけなので、もちろん挨拶はかえしません。山ではないのですから。
ニヤッとするだけであります。

ご覧いただけるでしょーか。
親ガモに見守られながら、生まれたての子ガモが数羽、水辺で生きる訓練をしている姿を。近くには鯉の姿も見えますです。

なんとなく信じられない光景なのであります。

「欲」
と声に出して言ってみましたです。
「イヤだいやだ」
とも。

見てはならぬものを目撃した恥ずかしさを感じたのであります。
「中国人、朝鮮人、アメリカ人…」
そっと呟いてみました。

関東にいて、心の火薬を発火させ、それが当たり前でしたのに、しずかな湖畔では、それらの言葉がまったく感情に上がらないのであります。

みると親子のカモのほど近い、柵の手前には、画像のよーに、二羽のカモが朝寝を決め込んでいるではありませんか。

ウンコだと思いました。
イイのでありましょーか。
拉致される心配はないのか。野良猫に襲われたらどーするつもりだ。この世は欲のまた欲にまみれているのだぞ。

「一級建築士の提案ですが…」
都会のセールスマンの言葉を思い出しました。
「地震保険で一儲けできるんですよ。ただ保険金の40%は建築士の取り分ですが。良い話ですよ」
なんでも建築士に頼むと、ちいさな地震での住宅のガタを見つけ、保険金が下りるんですよ。ここにハンコを、ハンコ、ハンコ、ハンコを」

「て、ことか。本当の地震が来た時にも保険金の40%をバクられるわけだね。詐欺まがいでないか」

もう一度、
「イヤだ、イヤだ」
とため息をつきました。

そして、実家に戻り、終日、草刈りに精を出すのでありました。