2021
01.26

ながねん、断易を用いているのですが、なぜ、明確に事実関係が提示されるのか、首を傾げるのであります。

鷲尾先生に、技術的なことは教わりましたが、
「なぜ、現状や、そこからの予測がはっきり出るのか?」
については、
「そこが断易の魅力ですね」
ばかりの答えでありました。

そして、悩んでいれば、悩んだだけ恐ろしいまでに、その事実が浮き彫りに現れるのであります。

さて、画像の卦です。
30歳手前の男性がいらして、
「彼女が妊娠しています。でも、ある手術を控えていまして…」
子供を堕胎するかどうか、その悩みでありました。

三爻の未子孫が胎児であります。ちょうど子宮を示す爻位でございます。独発ですから大きな意味があります。
卦は六冲卦。
バラバラになる意味を六冲卦は持っております。これだけで、
「中絶することになる」
と断じられます。
三爻の子孫は月破。辰子孫を化出。退神であり、化墓でございます。
万に一つも生まれることはできません。

日晨を持ち旺相する、二爻の酉妻財が彼女であります。世爻の丑と二爻の酉妻財と、巳酉丑の三合。
化出の辰子孫と合。
中絶する運命の胎児を、お腹に宿しているのであります。
これを、冲中合と解釈するには、すこし弱すぎますです。

四爻の巳兄弟に卦身がつきます。未子孫の絶であります。
中絶する応期でありましょーか。

卦は、たとえば発掘された恐竜の骨の欠片かもしれません。
「なんだ、この欠片は」
意味をなさない欠片から、専門の技術を用いて、
「おお、10メートルの大恐竜ではないか」
と全貌が分かるよーに、出た卦は、その人の運命の欠片ではないか。

その意味をなさない卦を、占いの技術によって、明確な事実が現れてくるのではないか。

断易の醍醐味に畏怖をおぼえるばかりであります。