2021
03.25

三月のモリオカは、野の花がところどころに咲きながら、その領分を広げてゆきます。

来月になれば雑草の見分けがつかなくなるので、本当は、今のうちから根こそぎやっつけておく必要があります。
しかし、毟り取るには、いささか良心がとがめるほどの可憐さ。
土のどの成分を吸って、このよーな絶妙な色彩で花開くのかと思える神秘の力を宿し、それはまるで、か弱いお女性に対して無力化する男に似ております。

目をつぶって毟り取れば、一生涯、男の心の傷として残ることでございましょう。

四柱推命でいえば、長生の強さであります。
奇門遁甲でいえば、龍遁。
乙の吉格に、龍遁、虎遁、風遁、雲遁がありまして、もっとも強いのが、天盤乙が北東にくる虎遁。北東は丑寅の方位でありますから、処を得た強さなのであります。
対して龍遁とは、天盤乙が北西に来る場合。北西は戌亥の方位。亥ー卯ー未の三合でいえば、亥の長生に当たるのであります。
少年の如く、力は弱いけれど、その成長力は目を見張るばかり。

ですから、この野の花を放置しておくことは、雑草繁茂の原因となりますから非常に危険なのであります。

いまのうちから庭の野花どもを退治しないと、夏場は手の付けられない状態になりますです。

このバッケは、いわゆるフキノトウは、退治しても罪の意識に問われませぬ。
摘み取り、軽く湯がいて食卓に出せばすむこと。
またバッケの根は深く放置すれば、やがてはあたり一面がフキだらけになるのであります。

ちなみに四遁のうちの雲遁は、もっとも弱く、なぜなら雲遁は天盤乙が南西の未に位置した時。亥ー卯ー未の墓に当たります。そのため、南西の天盤乙は雲遁と乙奇入墓が同居することになるのでございます。

バッケは、さしあたり乙奇入墓として、凶格ですから毟っても大丈夫。
「よくやった」
褒められることはあっても、咎められることはございませんです。

この三合は、恋に置き換えることも楽しゅうございます。
恋のはじめと、恋の真っ最中。そして晩恋として。

早春の庭を一巡りしまして、
「とにかく刈り取らねば」
心を鬼にしなければ、良い庭は作れません。

家を建て替えたために、せっかくのお庭が破壊されているのでございます。

「ここを掘り、あそこに石を設置し…」

庭の極意は女体を模することにあり。
明日は、長くつに履き替えて、長正征伐でございますです。

2021
03.24

先月の地震の影響で、東北新幹線は福島県あたりで速度を落とします。

「あれ、この辺りは…」
遠い記憶が蘇るのでありました。

すでにこの世のお方ではありませぬ。
太平洋戦争終結のドサクサに、軍部の物資をトラックいっぱいに持ち逃げした青年将校がおりました。
彼を知ったのは、戦後30年もたってから。
「闇米の帝王」と囁かれるほど成功し、いくつかの会社の経営者となられたお方でありました。
社長室には大きな写真が飾られておりました。
部下500人を前に壇上にたつ、若き将校。

社員旅行に招かれまして、私メは、社員旅行というものを体験したことがなく、
「バカ、みんな行きたくないんだぞ」
と首を傾げられましたが、それでも体験したかったのであります。

後悔したのは『無礼講』であるはずなのに、その帝王が、演説の最中に囲碁をしていた社員をぶん殴ったあたりからでありました。
囲碁はマズイとは思いましたが、座は、まるで戸塚ヨットスクール(古すぎましたか)。

ところが帝王さんに気に入られてしまいまして、銀座や赤坂のクラブから、
「オノさん、時間があるならいらっしゃい」
と誘いがかかるよーになってしまいましたです。

帝王さんは、貧乏な音大の女子に目を付け、4年間スポンサーになったりして、
「人助けさ、人助け」
で、4年後には、新しいお女性の、人助けを…とかでありました。

私メが気に入られたのは、占いをすこし知っていたからでありました。ほんの齧り始めでしたが。
「この世には、そーいうことがあるのだ。占いを信じないうちは、まだまだ青い」
帝王は、しきりに方位などを聞きたがるのでございます。

帝王さんが蔵王山荘なるものを建て、そこに引きこもったのはずいぶんしてからであります。執筆に専念するとかで。
その新築祝いに呼ばれましたのが、
「ちょうど、このあたりの風景だった」
落ち着いた速度の新幹線の車窓から、蔵王連峰を眺めたのであります。
お祝いにメロンを持参したことを覚えておりますです。
駅から山荘まで市に寄付したと自慢した桜並木がうねうね続いておりましたです。

音大の女子の他に、帝王さんにはヤミ米時代からのお妾さんがおりまして、これが二目と見られぬオプス様。
新築祝いの祝い酒に酔い、ベランダの高台で風に吹かけておりましたら、
「会長は、オノさんに会社を手伝ってもらいたがってんのよん」
とオプス様。

が、ぶん殴られた社員を思い出し、明智光秀になるのはごめんだと、固辞いたしました。が、もしや、僕もと、音大生の救世主となる未来の自分の姿には心惹かれましたが。

そういう思い出の、懐かしい風景でありました。

帝王さんが亡くなられて間もなく、その会社は雇われ社長たちの乱で、乗っ取られたよーであります。
オプス様の悔し涙が忘れられませぬ。

東北沢に最初の事務所を持つ5年ほど前のことでありました。

やがて列車は長いトンネルに入るのでございました。

2021
03.23

四月の開講を目前にして、いろいろとチェックをしておりました。

「やはり…!」
断易中等科の日程が一部ミスをしておりました。

2021年4月17日(土)1回目
5月15日(土)2回目
6月19日(土)3回目
7月17日(土)4回目
8月14日(土)5回目変則日
9月18日(土)6回目
10月16日(土)7月目
11月20日(土)8回目
12月18日(土)9回目
2022年1月15日(土)10回目
2月19日(土)11回目
3月19日(土)12回目

これが正解であります。
原則として毎月第三土曜日でございます。
8月が第二土曜日。
7月が14日とお伝えしておりましたが、17日の間違いでありました。

なお、「新版奇門遁甲初等科」は今週末あたりから、URLを受講生の皆様にメールする予定でございます。
いまいちど、
toden@ono-toden.net
からのメールが、キチンと分かるよーに確認しておいてくださいまし。

当日、ドタバタされても、困るのであります。

新版奇門遁甲も、断易初等科も、占いをまったく知らないお方であっても、基本から仕込みますから、その点はご安心を。

新しい世界観の扉が開かれるでありましょー。

思い出します。
私メも、はじめて占いの教室に足を踏み入れた時のことを。
何もかもが新鮮で、これまでの価値観が、
「一掃された!」
激しく興奮したものでございます。
あれから40年近く経っておりまして、いま変化しつつある、この時代に非常に役立っておるのであります。

まさか本当に易者になっているとは…。