2021
09.04
09.04
ペンを拾ったのであります。
いいえ待っていてくれたのだと解釈いたします。
東海道線の座席とひじ掛けの隙間に挟まるよーに、そのペンは私メを待っていたのでございます。
念のために、携帯の殺菌スプレーでビジャビジャに消毒してから手に取りました。
私メだけのシンクスがいくつかございますが、
「ペンを拾うと開運へと導かれる」
というものがございます。
最初に拾ったのはゴールドクロスのボールペン。
まだ30歳そこそこでしたが、拾った以後、トントン拍子に幸運へといざなわれた感じでした。
二回目が、四十代初頭。ある編集部で三色ボールペンが床に落ちていました。拾い上げ、机に返してやろうと思いましたが、やめて自分のポケットに。クロスのボールペンの件を思い出したからです。
三色ボールペンの効果は、次から次へと原稿の依頼が舞い込むことで現れましたです。
この二本のペンは、自宅の社に祀っておりますです。
ペンの使用状態を見ましたら、
「前の持ち主は必死になって探しているな」
くらいに使い込んでいるのでありました。
赤インクは、ほとんとなく、黒も緑のインクも残りわずか。
ブルーだけがたっぷり残っているのでありました。
「どーいう仕事をしている人だろーか?」
赤や緑のインクを使うということは、資料に書き込みをいれることぐらいしか想像できませぬ。
シャープペンシルも消しゴムも使われた形跡はないのであります。
もっぱら、黒と赤と緑。緑にヒントがありそーであります。
使用者が変わったこのペンは、私メに、どのよーな幸運をプレゼントしてくれるのか。
バツイチのお女性の魅力を、私メはとことん知っておりますです。