2022
01.24

「やはり降ったか…」
モリオカの実家は雪の中に埋まっておりました。
昨年末に、ロードヒーティングを備えましたから、門から玄関までは、嘘のように雪はございません。
が、私メの書斎からの小径は、ごらんのとおり雪に閉ざされておるのでありました。

さらにガレージに積もった雪は股まででございます。
実家に到着してから、その雪かきに時間と体力を費やしておりました。

方位は最悪でありましたから、
「こんなものだろう」
とは諦めておりましたが。

ガレージの前には、跳ね上げ式の柵がございまして、キチンと雪を払わないと、上手く作動しないのでございます。
さらに、どうにか車の出入りが可能になったと思ったら、クルマが自動的に電気系統を遮断していたのであります。まぁ、それはどうにかクリア。
お寺に、本堂の修理代という名目のお布施を頼まれておりまして、そのお寺までの道が、轍で酷いことになっておりました。

大波にもまれる小舟のように、クルマが左右に揺れるのでございます。
そしたら、ふたたび電気系統がいちぶストップ。
勝手に危険を感知したのであります。

コンビニ前で、クルマをなだめて、ふたたび機嫌を直してくれたのですが、
「あんまり利巧すぎるクルマもわがんでね」
と老母。

そのまま自宅に戻ろうとしましたら、
「カワトクに行きてぇ」
助手席のお方が申されるのであります。
カワトクというのはモリオカの最大のデパートであります。
「なじょして」
「んだって、最近は家の中ばかりに居てたおん。やっぱりカワトクだぁ」

市内は除雪がなされてクルマも臍を曲げることなくカワトクにたどり着くことが出来ましたです。

「これじゃ、書斎の前の雪掻きは明日になるな」
これは、すなわち、蘭丸さまに逢うのも明日、ということに通じるのであります。

蘭丸に行くには、老母に知られないよーに、書斎から出入りしているためでございます。

凶方位、凶方位でございますです。