2022
03.16

窓をあけてくつろいでいましたら、花の匂いが忍び込んで参りました。
「そよ風か~」
東から西へとうごいているのかもしれません。

鑑定を終えると、はりつめた神経がいっきにしなびて、そういう動物的な匂いの感覚が戻ってくるのでありましょーか。
すると不意にお女性が恋しくなるのであります。

春は一年のなかでもっとも艶めく季節でございます。
東京は、ここ数日、初夏でございます。
花々は蕾が急速にふくらみ、でもまだ満開ではございませんから、事務所に忍び込む花の匂いは、あるいは道ゆくお女性たちの体臭なのかもしれませんです。

お女性自身は気がつかないかもしれませんが、好意ある男に対しては、それは好い匂いをはっする生き物でございます。
逆も真。
「嫌われたな」
直感するまえに、すでにお女性から放たれる臭いは、屁臭いのであります。
拒絶する臭い。スカンクでございます。

もうひとつ、これは気をつけなければならない臭いがございます。
「癌に気をつけろよ」
癌検診でガンが発見される半年も前に、すでに独特の臭いを漂わせている場合があるからであります。
飲み友達のお女性がそーでありました。
相手を嫌う場合の臭いは、ながく漂うのですが、おなじ屁臭いのですが、その臭いは間歇的。
「なにいってるのよ」と気分を害したお女性が、「じつは乳がんに引っ掛かったの…」の言葉を青ざめてふるえた泣き声で語るのは、まずは確実なのであります。
屁臭いと申しましたが、より詳しく説明するならば、切り花を生けた水が腐った、ちょうど墓の供花のどぶ臭い水の臭いに酷似しているのでございます。

この匂いを識別する訓練は、賞味期限切れの食い物をあえて口にしてみることで会得できるのであります。
食品ロスにもつながりますし。

しかし、すでに賞味期限に支配されている世の中ですから、訓練は無理かもしれませんですね。

などと考えているうちに、ウトウトしてまいったのでございます。