2022
07.01

いまなら、マッチングアプリとか出会い系サイトがありますが、私メの学生の頃には、そーいう便利なシステムはなく、代わりに仲人的な生徒がおりました。
自分の高校の男と、女子高の生徒が中学の同級生であり、彼らがそれぞれ、男女を引き合わせてくれるのでありました。
お見合いみたいなものでしょーか。

場所は、バスセンター。
当時のモリオカは肴町が中心街で、バスセンターもその肴町にございました。
その建物が取り壊され、「2022AUTUMN」にリニューアルするそーであります。

「あんやAUTUMNって、秋のことっか」
と老母が助手席で、日本人なんだから日本語を使えば良いのにと、毒舌をつぶやくのでありました。

「秋って書いた方が、インクも少なくて済むべおんに」
と、母はつぶやきますが、モリオカの秋は「秋」より「AUTUMN」の方が似合っているよーな。

しかし、私メは、あの時、50年以上も前の夏の雨の日を思い出しておりました。
「こちらが…」
とクラスメイトの男が、女子高の娘を紹介してくれた日のことをです。
なかなかイイ…と思いました。

じつは、私メは補欠要因で、本当は別の男子生徒が、その娘と付き合うはずでしたが、どーいうわけか、私メが駆り出されたのでありました。
「あとはお二人で」
ということになり、喫茶店でなにやら喋りました。
ところが、どこかで話がかみ合わなくなり、気まずい雰囲気になりましたです。
「私…」と彼女は立ち上がり、「私、真面目な人がイイです」
キョトン…。
1時間足らずの恋でありました。

それを50年も経っても覚えているのが可笑しいのでありました。
「どんなオババになっているのだろう」
むこうも覚えててくれてるかな。
死んだかな?

どの街にも似たようなことがあり、親しくなったり、別れたりして、そうして時代は流れていくのでございましょー。

湘南にも夏が参りました。
水着のお女性たちが、楽し気に海とたわむれる夏が。

けれど、去年のお女性はもういないのでしょー。
去年のお女性が海を見に来たとしても、
「もう違う海だ」
じつはお女性自身が変わっているのでありますが。

ポルシェセンター湘南、2022年秋オープン予定。
看板が夏の日差しに眩しいのでございますです。
ペンキ代が浮いたのかどーか。