2022
09.19

貯金箱としている花瓶の中から、二千円札が顔を出しておりました。

2000年に新札として発行されるのを耳にし、そのお札には紫式部の肖像がすり込まれると知り、
「これはイケる!」
と、直感し、講談社の知り合いの編集者に連絡し、『源氏物語占い』なるものを考案したのであります。

考案。
そーです。
占いは、パクリ(伝統の占いを使うこと)とデタラメ(新しい占いを作ること)の二つであります。
伝統の占いの原則を踏まえつつ、大胆な工夫を加える、これが考案であります。

まず雑誌で展開し、反響をみまして、次に講談社のWebサイト、いまはなきモウラにUPしたのでありました。そして単行本。

源氏物語占いの方は、採算を得たのですが、二千円札は不人気。
いつのまにか、まったく姿を消しましたです。
日本人には使いにくかったのでありましょーか。
たしかに五百円の品物に二千円を出したら、おつりが五百円ということもございました。
こちにも気づかず、数時間経ってから、
「しまった…!」
という始末。

逆に、カフェで珈琲二杯で千円に、五千円を出したら、おつりが二千円札四枚というラッキーもございました。
逃げるよーにその場を急ぎ足で離れましたっけ。

さて、その源氏物語占いを、久しぶりに開いてみました。
●浮舟のタイプ
快楽をもたらすタイプとして、
「どんな男にも適合する肉襞の持ち主。疲れを知らぬその肉体に溺れる男の数は無数。太腿やおヘソには常に男性の乾いた精液がこびりついているはずです…………」

笑ってしまいました。
自由でおおらかな時代でありました。
ぶっ殺された安倍の「美しい日本」とかの時代から、窮屈でなんとも息苦しい感じが年々、強まってきたよーでございます。

二千円札。
ふたたび花瓶におしこめましたです。