2022
10.07

気温が低くなり、慌てたよーに、バラが一輪、咲いたのでありました。
まわりの草花はホトンド枯れたしまっているのに、バラは、まるでいまが青春であるみたいにみずみずしい黄色をひからせておりますです。

苔むすほど古い恋のお女性から、思い出したよーにメールが来るのも、季節は秋であることが多いのでございます。
数えると、
「えっ20年も…」
経っているのかと信じられない思いだったりいたします。

おデートの最中に、お女性の携帯が鳴り、聞くとはなしに、「お菓子が戸棚のなかにあるから」などの会話が耳に入り、
「子供さん?」
「娘。小学生なの」

とすると、あの娘は27歳あたりとなる勘定か…。

ほとんどメールに返事は出しません。そーいう習性なのだから仕方ありません。しかし、そーすると一週間後かに、「変わらないわね。その身勝手な冷たさは」みたいな内容が長文で届いたりもして、ニヤリとさせられるのであります。挑発でしょーか。
抱かれたいなら、素直に「SEXしようよ」
と誘ってくれればイイのに。なんて思ったりして。

棘のあるメールにたいして、一生癒えぬ一文をズドンと返す衝動が一瞬間、スパークいたします。
でも、衝動の火はメラリと燃え、すぐに消えるのでした。
そんなことをすれば、20年間の忘却してきた時間は無駄になる。そして、もはや花は咲けない。造花でしかない。
20年間という地の底から花の咲かぬ蔓だけが芽を出してしまうことになる。

恋が咲くのは一瞬。
枯れるまでには、それぞれ時間が必要であります。
雄蕊から枯れるのか、雌蕊からなのか。

おいおい、私メはもうお齢ですぜ。
返事メールは、これに限るかも。