2023
01.21

家相を依頼されて困ることは、
「良い家相すぎる」
家にあたったときであります。

依頼者は、より素晴らしい運勢を求めているのでありまして、易者も可能なだけ、より良い運勢にするために知恵をひねるのであります。
家相に欠点があれば、それこそ適切なアドバイスをし、予算を聞いて、
「ここと、そこと、あそこ」
これで易者は、仕事を成し遂げる満足感に浸ることができるのでございます。

しかし、文句ない家相であると、そこが易者の限界なのでございます。
なにも指摘もできなければ、アドバイスする点もない…。
これを「家相に負ける」と申しますです。
だいたいにして文句なしの家相などありえません。
それは、すべてのアートにも言えることであります。
完成された音楽も絵画も彫刻もございません。

もしも完成されたアートがあるとすれば、新しい音楽も絵画も彫刻も要らないことになるのであります。
すぐれたアーティストが、新しい芸術を生み出すのは、既存のアートの欠点を発見するからにほかありません。

易者がアーティストだとは思ってもおりませんが、
「この建物は、建設当時にだれか優秀な家相家が関わっていたな!」
と直感することがございます。
だとしても、どこかに欠点があるはずだ。
でなければ、家相の鑑定を依頼する道理がない。

そこで取り出すのが、四柱推命であり、断易なのであります。
とくに断易は、その家の問題点を探ることに的確であります。

「親戚関係でのトラブルは大丈夫ですか?」
と探りを入れ、「えっ」の反応を得た時、はじめて完璧に見えた家相の脆弱な部分がクローズアップされて浮き出してくるのでございます。

多くの易者が間違う点は、良い家相か否かの家相を、形からチェックする点にございます。
そーではなく家庭内部の問題点から家相を探り、そのポイントを足掛かりに家を注視することで、その家庭に適合する改善点を発見できるのであります。
だとしても完璧な家相に直すのは前述の如く不可能でありますから、
「ご主人と長男さんはイケメンですから女難にはくれぐれも」
と欠点部分を忠告しなくてはなりません。

いわば、見知らぬ名人級の家相家と私メとの戦いなのでありますです。