2023
01.24

モリオカに戻りましたら、白い世界に埋もれておりました。

「先生亡くなったの知ってる?」
と、雪かきをしていましたら、50年前の級友から電話が。
みんなで集まらないかという誘いでありました。
「集まらない」
と言い捨て、ふたたび黙々と雪かきの作業。

降ったばかりの雪でしたが、それでもダメージが腰に。その腰をさすりつつ、老母のために肥料を作らねばならないのでした。
「なにかウメの食いてぇ」
しかし冷蔵庫はほとんど空。

ありあわせのモノと、届いていたカニの身をほぐしまして、できたのが、この崩れ八宝菜なのでした。
隠れた銘酒である「鷲の尾」(県外不出)の封をポンとあけまして
ぐぴっ!
寒い日は、これに限るのであります。

実家は冷暖房完備、最新の断熱材を贅沢に採用しておりますから、夏は涼しく、冬は暖かい……はずなのでありますが、
「ううっ、寒い~」
老母は明治時代の親に育てられたせいか、それともドケチなのか、暖房を入れておりません。
自室で電気こたつに肩までかぶって震えているのであります。
ですから、断熱材が逆に効きまして、冷気をキープしているのでございます。

家全体が暖まるまで三日から五日は要するのであります。
「ヒートショックは温度差が原因だえんちぇ」
老母の自説をもってすれば、家が常に一定温度であれば、ヒートショックはおきないというわけであります。
「んだがら、これでイイのさ」
「勝手にすればイイ」

せっかくの崩れ八宝菜はたちまちに冷めてしまうのでございました。