2023
03.28

兄弟子に言われたことがごさいます。
「女がキレイに見えたら気をつけろ」
失明の予兆だというのであります。

もちろん、これは比喩でして、人相見は多く、目をやられるらしいのであります。
普段は使わない眼力で人を見るからであります。

さいきん、その言葉がなんとなく理解することができるよーになっております。
私メの占いは、人相を主体とするものではございませんが、やはり鑑定中は、お客様の人相を観察するのであります。
顔のどこに線があるとか、どこの部所にホクロがあるとかではなく、いや、そういう場合もございますが、それよりも立ち上る「気」をうかがうのであります。
「これは、これから運気が明るい」とか「すこしヤバくなっている」
などであります。
血色や気色の分野で、この力をあまり使いすぎると、鑑定後は激しい疲労感に襲われ、仮眠が必要となってきますです。
しかし、「適当にやればいい」と言われても、それはなかなかできません。

印象派画家の巨匠、モネも晩年は視力を落としながら有名な「水連」その他を描きましたが、あの水辺の異常な美しさは、正常な視力ではとらえきれなかったかもしれません。

私メも、鑑定後のかすんだ目で、事務所の入り口から神楽坂の空を仰いだ時など、
「これは危険だ」と思うほど水連の絵画のよーな危険な美しさに、ヤバイ、ヤバイと感じ入るのでございます。

自分で立てた断易の卦を見やりつつ、
「この判断は自分でも分からない」
自分の知識のどこから、このよーな名人っぽい断を下せたのか不思議に思うことが度々なのであります。
けっして自慢しているのではなく、私メが名人だと誇っているのでもございません。

ゴッホは発狂し、ユトリロは手首を失い、作曲家のベートーベンも聴力を失った。
恐山の巫女は、幼い頃に畳針で目を刺し、霊力を得たとか。

おそろしや、おそろしや。

お女性がイヤにキレイに見えてなりませぬ。