2025
04.18

ふるい机の引き出しから、こんなチケットが出て参りました。

郷ひろみリサイタル。
7月30日火曜日とあり調べると1974年であります。
私メ19歳の夏なのでございます。

いや、それよりもチケットの半券が切り取られずにあることであります。
記憶にないのであります。

私メが郷ヘロミツのリサイタルに行くわけがなく、チケットを買うはずもございません。

と、すると誰かにプレゼントされたことになりますです。
遠い記憶を呼び覚ましますと、おぼろげに浮かんでくるお女性がおりますが、すぐに霧のよーに隠れてしまうのであります。

けれど、チケットがモギリを残しているということは、やはりお女性にプレゼントされ、それをすっぽかしたということは明らかでございます。

19歳ですから、お盛んだったよーにも思い出されるのであります。

詩人の寺山修司は語っております。
「不幸な女は、捨てられた女ではない。忘れられた女だ」と。

あれから50年余り経過し、このチケットを私メに贈ったお女性は存命しているのか。それとも老いさらばえつつも、私メが振り向くと、そこに座っていて、
「ここにずっとおりましてよ」
とニタリと笑ったりするのかもしれませんです。

いえいえ、そんなことはなく、やはり私メのよーに、そーいえば、そーいうこともあったよーな…と夢のよーに目をつむることでありましょー。