2016
08.03

ときどき理解不可能な卦が出ることがございます。

昨日も、そうでありました。
「店長が赤字なので、もうイヤになりました!」
とオーナーに連絡があったとか。
そのオナーからの電話での、ご質問でありました。
「どー処遇したらいいのでしょう」と。すこし困ってピリピリしたご様子。

で、出たのが漸→剥でございました。

分かりませんでした。
応爻を店長として、卯の官鬼が付され…。解釈が続かないのでありました。

こういう時は、しばらく間を空けて卦を離れることが肝心。
階下に降り、換気扇の下で煙草をば、ぷかり。

「!」
と気づいたのは、その直後。
煙草をもみ消し、足を階段にぶつけつつ自室に。

「そうか、基本に戻ることを忘れていた」
店長は、オーナー側から見れば使用人なのだから、用神は妻財でございます。
子の妻財は五爻に伏し空亡。これが店長。空亡していますから、もう頑張りが効かなくなっております。日月からの助けもなし。
五爻の巳の父母が店。それが子の妻財を化出。
その五爻の巳は世爻の申子孫と合。合住しております。

ここで下手に店長をクビにすることは得策ではありませぬ。
聞けば店長は三十才あたり。
おそらく友達や家族に「オラ、店長なんだじぇ」と若さからの自慢を吹聴しているはずであります。店を辞めたいというのはオーナーへの甘えで「あなたほどの人は他にいないのだから。お願いだからもう少し頑張って!」なんて慰めて欲しいのであります。
これは申―子ー辰の三合の「情」から読み取れるのでございます。

ここは懐柔することが大切であります。
しかし漸という帰魂卦ですし、合住が解ける亥月には辞めるわけですから、次の店長候補を決めておくことが大事、というワケであります。

このよーに、用神を確定させることで、断易の読みはスムーズに参ります。
「自分には才能がない」と諦めるのではなく、用神を変えてみるだけで、「おおっ!」と見えてくるものでございます。

間違いやすいのは、「断易の用神の取り方」なんて本に頼ってしまうこと。理屈ばかりで、かえって迷います。
基本に立ち戻り、しかし縦横無碍に出た卦を見つめて用神を決定することが、断易を使いこなす訓練になるのであります。

  1. 十傳先生

    先生にも「分からない」と思う瞬間があるのですね。
    変な話しですが…安心しました f^_^;)

    ただ先生はその後に「!」と気づかれるけど
    私は「???」のまま。
    この卦は間違ってる…と立てた卦のせいにしてしまう有り様。

    神戸での断易の講義が楽しみです(*^_^*)

    ●十傳より→神戸の断易スクールの受講予定の皆様には、やがてお知らせのメールが届くことでありましょう。

  2. どの仕事もそうなのですが
    特に先生のお仕事は、占いをしながら 占いを学び
    その中で見えなかったものを発見するのですね
    本日は朝から ムワッ とするくらい暑いです
    どうか 以前のように暑さで体調を崩されませんよう
    お気を付け下さい

      ●十傳より→一日中、占い浸りの毎日であります。

  3. 伏していても用神として取って良いのですね!
    どうしても表に出ている爻から用神を取ろうとしてしまいます。先生の講義を聞いている時はうんうんと納得して聞いているのに、いざ自分でやろうとするとダメダメです(; ^ω^)

    ●十傳より→用神不現ってヤツでありますね。病気を占って、官鬼と子孫が伏している時は…って思い出しましたか。

    • あぁ、ダメだ、初等科をもう一回やろうかな・・・

        ●十傳より→一回とは言わず、何回でもどーぞ。