2011
04.08

 本日は4月の8日。
お釈迦さんの誕生日。花祭りなのであります。
毎年、仕事を放擲して、どこかのお寺で甘茶をいただくことをならわしとしております。

今年はHヶ崎市内のお寺に。

こんな甘茶飴をもらったのでありました。
そればかりではありませぬ。

境内にはテントが設置され、老人たちの楽しいかすれた笑い声が聞こえているではありませんか。

どうぞどうぞ、とすすめられるのでそのテントの中に。
「あの世からのお帰りですか?」
と言おうとした口を抑えて、
「被災者の皆様ですか?」
と言いましたところ、一瞬間の沈黙の後に大笑い。

このジョークが受け入れられるとは、これはイケるぞ、と腰をおろしましたらば、「こんな被災地なら天国だろうけどねぇ」と老人会の係の人が、竹筒のお酒をついでくれるじゃありませんか。

まだ午前10時であります。
イイんですか、時間はたっぷり。どこまでも飲めますですよ。

 旨いうまいとたちまち5杯。
銀紙にはイモが包まれて網のうえでこうばしく焼かれておりますです。

「お兄さん、飲んでばかりいないでなにか歌ってよ」
なんて声がかかりました。
「楽しい被災者なんだからさ」
なんて声も。

そう言われてはしかたありません。
11年ぶりにみんなの前で喉を披露いたしました。
「~しらかばぁ、あおぞぉら、みぃなみぃかぁぜ~」
ご存知、「北国の春」であります。
さわりだけを張り上げてみましたのでありました。東北の春は南風ったってあたたかい南風ではないのでして。寒い春に、こぶしの花はまっしろく、ほこらしげに咲くのであります。おもいがけずこみあげてきましてねぇ。あぶないあぶない。

それでまたお酒をつがれましてですねぇ。
これでは老人会デビューではありませぬか。
またとうぶんは歌は封印であります。

 が、酩酊しかけた私にも分別というものがございまして、あとからの客人にお酒と席を譲らなければならないことくらいは承知いたしているのであります。

その場を去することにいたしましたら、係のお年寄りに呼び止められてメルアドを尋ねられ、ついでに、
カシャ!

これが、その時の写真であります。かなり酩酊しておりますです。

近年になく、たのしい花祭りだったと満足する自分がオソロしいのでございます。
老人会のお年寄りからはまだメールが届いていないのでホッとするやら、心のどこかで期待しているやら…。

  1. 下町江戸人も 結構イケ(ヌケ?)てますが
    素敵で粋なHヶ崎の方々ですわねっ!!
    楽しそう〜〜

      ●十傳より→あぶなく長居をしてしまいそうでありました。

  2. 花祭りって一般の方も参加できるんですね。
    キリスト教のクリスマスのような、仏教系の幼稚園の行事かと思ってました。
    「北国の春」は、小さい頃に実父に仕込まれまして、親戚の集まりなどがあると歌わされましたよ。千昌夫さんは陸前高田の出身ですね。「あのふるさとに帰ろかな~」と言っても震災で大変なことに…

      ●十傳より→そうですね。クリスマスみたいなものでありますよ。もっと流行ってもいいような行事でありますです。このままではオジジとオババばかりですから。

  3. なんか、ほのぼのして楽しそうです。

    クリスマスは違和感を拭えないのですが、
    お釈迦さまは親近感を感じます。

    たまには、何も考えずにのんびりと過ごしてみたいです。

    竹筒で飲む日本酒も格別に上手く、鼻歌でも出てきそうです。

    ●十傳より→こういう行事はあんがいヒットしたりいたします。老人会の鎌倉散策などにも参加したい気分であります。