2022
11.18

あれから何年たつのか…。
十傳スクールを神戸でも開催していた頃の話であります。

現在ならリモート講義をすればイイわけですが、6年ほど前は、リモートは、
「どこかの大会社がするものだ」
の意識がございました。
で、約3年間、月1で神戸に向かっておりました。

茅ケ崎を始発の東海道線で小田原まで向かい、そこから新幹線を利用していたのであります。
その小田原までの道中に、このアパートがございました。

「もう引っ越したのだな」
一室を眺めましたです。

先住者は、鉄道マニアらしく、出窓に汽車のプレートとかシグナルなどを飾りつけ、前を通るとカーテンがかすかに揺れるのでした。
始発電車をベッドに寝ながら見ているのだなと思い、たぶんその想像は的中していたと思います。
鉄道マニアだから、線路に面した部屋を見つけた時は大喜びしたことでございましょう。

「しかし、なぜ…」
引っ越ししたのだろう。
もっと電車に接することのできる部屋が見つかったのか。
結婚して、鉄道の興味など二の次になったのか。
死んだのか。

先住者に思いをはせると、ふと、自分もまたどこかの部屋の先住者ではないかと。

面白いことに、引っ越してしまえば、もとに場所を再訪しなくなる不思議がございます。

20代の頃に住んでいた、新宿区大久保のアパートが、また現存しています。
勇気をふるって住んでいた部屋のドアのノブを握って、あわてて逃げるように引き返したことがございます。
その頃の気持ちとか、考え方とかが、津波のよーに押し寄せてきたものでした。

これが方位効果なのかもしれませんですね。

  1. 以前住んでいた場所は、ほんと、あんなにお世話になった街なのにですね。

    ●十傳より→まったく不思議な現象であります。