2023
01.12
01.12
ショッピングモールには抜け殻がたくさん落ちております。
眠りを忘れた幼子のよーに、死ぬ時期を逸した老人たちが、椅子に腰かけたまま仮死しているのでありました。
現役の頃はどーだったのかは、それぞれでありましょー。
が、いまは、とても、お手本にはなりません。
新しい建物や橋を建設していたら、人柱にはちょうどいいのかも知れませんが、人柱にするにはしかし、やはり若いお女性なのでしょーか。
私メが若い頃には、年寄りは数少なく近所では崇拝されていたよーな気がいたします。
多少ボケていたとしても、それはそれで神々しかった。
しかし、長寿者が増えすぎて、こまった世の中になっております。
そして、私メも…と思った瞬間に、これらの抜け殻の数々に腹が立ってくるのでありました。
まるで自分の未来の姿を提示されているよーで。
つぎに胸にしみてくるのは恐怖でございます。
私メの救いは、占いでございます。
「そんなことをしてどーするの？」
占いの勉強に狂っていた時、周囲の多くは信じられない者を相手にするよーに、あきれた口調で、
「やめなさいよ」
いくど忠告されたか分かりません。
でも、今となっては、
「やってて良かった」
なにしろ占いは定年がございません。死ぬまで続けられます。
頭を使いますからボケる速度を縮められますです。
で、多くの人たちが「くだらない」「迷信だ」「時代遅れ」と否定していただけに、希少価値なのであります。
生きるしかばね、生きる墓標に等しいフロアは、いっしゅのこの世の地獄図絵でございます。
「いやだ、いやだ」と耳をふさいで走り抜けましたら、ガラスにその姿が映っておりました。
それは、さきほど仮死していた老人の姿でございましたです。
昔パチンコ屋さんに行った時にこんな光景を見たことがあります
パチンコ屋で時間を潰してるようでした。
時々台を巡回し、出てる台のとこで立ち止まり凝視してるのです。
特にやることも考えることもないのでしょう
朝から新聞に一生懸命目を通し、1日の大半をテレビを見て過ごしてる
そんな父を見てると悲しくなります
●十傳より→長生き税を取るよーにすべきかも。ホントに何の役にも立たぬどころか邪魔なのでありますから。
泰平の世の象徴、現代の日光東照宮の眠り猫、認定ですね。
●十傳より→こんな世にした老人たちを、のうのうと眠らせるわけには参りませぬ。
半月ほど前でしょうか
いつものようにお昼休みに実家へと行き、ワンコを散歩にと外へ連れ出すと
一台の軽乗用車が歩く私の脇に止まりました
見ると、もう80半ば近い知人の男性の姿が
「なんか、アンタの顔を見たくなってな …. 元気か？」
私は道中に車を止めている男性を危険なので駐車場へと誘導しました
「俺なぁ、コロナに罹ったんだよ」
「入院はしなかったけど、ずっと自宅で安静にしていて、やっと外出できた」
私は、その男性も知っている私が住む大家さんの奥さんが急死し
その旦那さんが今では突然痴呆が進んだように別人と化した事を報告しました
「あの大家のオッカ、亡くなったのか ….」
それから話を続けようとする男性に
「ゴメン、お昼休みは本当に時間が無くセッパ詰まっているの、ゴメンネ」と
私はイソイソと話を切り上げ、ワンコの足を急がせたのです
男性は ジャぁ と車を走らせ去っていきました
私にとってのお昼休みは、まずコンビニで昼食等を購入し、そして実家へ
実家に住み着いた野良猫「ニャ－」に御飯を与え
それからワンコの散歩(ウン〇を済ますまでの時間が長～い、とにかく長～い)
散歩・オシッコ・ウン〇を済ませたワンコに昼食の茹でた鳥のささ身を与え
やっと私のお昼御飯(いつも時間が無いので出来るだけ早食い)
常にこんな状態ですので、その男性の話を長々と聞いている余裕はありませんでした
そして、11時55分、お昼休みを終え会社へと車を走らせている時
「例え会社に5分遅れても、老いた男性の話をもう少し聞いてあげればよかったのでは」
後になって、自身の非情さを責めているのでした
いずれ迎えるあの世への旅立ちの準備なのでしょうが
やはり目の前にした老いは、昔の意気揚々とした姿を知っているだけに
なんとも言い難いほど悲しいものです
●十傳より→次は我が身かと思うと悲しいより恐怖でありますね。
いえいえ、先生、何を恐れる事はありましょうか
老いの進化は人それぞれ
先生はまだまだ若く魅力的な男性
麗しき女性の心を虜にする男性の魅力は失っておりません
自信をお持ちください
その自信が更なる先生の魅力の糧となる事でしょう
●十傳より→ではヒヒ爺を目指すことにいたしましょー。