2023
03.21

モリオカには昼頃に到着し、実家でくつろぐこともなく、
「墓参りさ行ぐべ」
と老母をともない国道を南下し、遠方の墓地に向かったのでございました。

途中、「水を忘れた」ので、コンビニに立ち寄り二リットルの水を求め(向かう墓地には水がないのであります)、そこに古い木造建築が残されていることに驚いたのであります。

窓から内部を覗きましたが、家具などの類はなく、がらんどう。
妙に股間がムズムズと反応するのでした。

博物館などで、原始人の竪穴式とか、庄屋が使っていた古民家にはいると決まって、そこで暮らしていただろう人々の気配が生々しくよみがえるのでございます。
萩にある高杉晋作り生家を見物していた時も、
「長州め!」の怒りよりも、奥座敷とか廊下から漂う異様な空気に動けなくなりましたです。
日本髪の眉をおとした鉄漿のお女性が襖の向こうに座っているよーな。
で、低い梁に頭をしたたかに打ち付け「痛てて!」我に返るわけですが。

コンビニのパーキングのわきの古い建物からも、その気配を感じ取れました。
おそらく村役場かそういう使われ方をしていたのでしょうか。
働いていたた明治大正昭和のお女性の気配がたしかにありました。
「欲しい…」
と思ったのでございます。

車に戻り、助手席を見ると、そこには人間の残骸がおりました、母という名の。
これは要りませぬ。

いや、鏡を見ても、私メという残骸があることでありましょー。

しかし、みんなどこへ行ったのでしょーか。
行きついたであろう、墓の、墓参りを急いだのでありました。

  1. 大谷翔平選手も岩手出身でありますね!

    ●十傳より→赤の他人であります。