2024
12.05

私メにも初恋がありまして、今日、12月5日は、そのお女性の誕生日なのであります。
激しく美しいお女性でして、男どもはことごとく彼女に恋をしてしまったのであります。
そして私メも。

彼女の存在は、他のお女性の運命も狂わせたはずであります。
まるて太陽の下で灯す蝋燭のよーに、魅力のあるお女性も、彼女の前では存在感を失ってしまうからであります。

私メは、モリオカに戻ったときには、複数に仲間といっしょに混ぜて逢っていたものであります。

彼女は美人ですから、モリオカでもちと有名な医者と結婚いたしております。
まぁいわば、高級娼婦ってところでしょーか。そんなことは言えませんけどね。

欠点は、話をしてもさっぱり面白くないところであります。
あたりまえの内容を当たり前に話し、ここで笑うだろうということに、笑うのであります。
しかし、美人ですから、刺激性を求めても、それは贅沢というものであります。

で、11月にあったとき、ささーっと熱が引いていったのであります。
まだ熱を上げていたのかと訊かれると困ってしまいますが、なにしろ美人であります。ヒエルロン酸なども上手に施しておりますから実年齢よりも20歳は若く見えるのであります。

が、11月は私メの内部で初恋の老化が生じました。

何か気に障ることを言ったのかもしれません。
突如、彼女は「出入り禁止! オノ君は去れ!」と私メを指さすのでありました。
ジョークでしょうが、それ以外の本気の光も酒に濁った瞳に灯っておりました。
「初恋の相手なのに…」
私メはたじろぎつつも、笑って応じました。
「帰れ」と彼女はなおも指さします。

中古車販売店で型落ちのベンツがクラクションを鳴らしている様を連想いたしましたが、いかん、いかん、そんなことを考えるのはイカンと気持ちを切り替えようとしましたら、次に頭に浮かぶのは荒涼たる墓場でございました。

こーして56年に及ぶ初恋ははかなく潰えたのでありました。
「なあ、そんなに怒ったら、死ぬまでオレの事を忘れられなくなるよ」
が、私の彼女に贈った最後の言葉でございました。

後日、彼女の友達から聞きましたが、モリオカのスーパーで私が若い美人ちゃんと買い物をしていたところを目撃たとかが原因だとか。
ふーむ。
しかし、心の中でしぼんでいった熱い想いは蘇ってはまいりません。
お誕生日のお悔みのメールはしないことにいたしました。

  1. それで あの時 先生は元気がなかったんですね。
    なんだか、荒れてるというか、、。
    私も 実は 今日、、メッセージを送るべき方がいたのですが、
    しませんでした。
    似たような事が理由です。笑

       ●十傳より→でしたか。

  2. この様な思い出を語れる小野先生も
    トトコちゃんも
    素敵な人生を歩まれて来られたんですね。

    ●十傳より→私メはともかくとしてですけどね。