2011
09.11

本日は9月11日。震災から6カ月がたちました。

ここは湘南海岸からほど近い公園であります。直線距離で200メートほど向こうは相模湾が広がっているのでございます。

サザンオールスターズというグループが、「ツナミ」などの歌を歌ったのは、画像でもすこし見えますが、あのスタジアムでございます。
震災からこっち、あの名曲を聞くことはなくなりましたですね

3・11では、この公園にも津波が押し寄せる警報がさかんに鳴り、住民は顔面蒼白となって避難したということでございます。

いまは眩しい晩夏の日差しがふりそそいでいるのでございます。

もしも、この公園に恋人がキスを交わしているときに津波が押し寄せたらどうなったのだろうと、深夜に散歩をしながら想像することがございます。

4月に被災地にいったとき、海岸の崖の下に、モーテルの残骸があったことをおもいだすのでございます。
情交中に津波にのまれたカップルもいたはずであります。
多くは不倫の男女だったことでありましょう。

大きな地震でしたから、身支度をするのも大変だったことでしょう。
モーテルの管理人は、避難するように大声で告げ回ったことでしょう。
「はやくはやくはやく」
叫び声が聞こえるようであります。
「待て、おぢずげって!」
「んだって、んだって、はやぐ逃げねば」
「みられでしまうべぢゃ、みんなによぉ、なぁに、たいしたごどねって」
「んだっとも、へんただよ、いっつもの地震とちがうべや!」

夜の公園はところどころまだら模様に暗闇ができて、その暗闇のおくから、耳をすませば、くちびるを吸いあう音がきこえるかもしれません。
空には木星が銀色のひかりをはなっているのであります。

太古から男女のいとなみは変わらないのでありましょう。宇宙にまでいける神にもちかい頭脳と、ケダモノそのものの下半身を備えた人間でございます。
そして自然はそのような、地を這いつくばる人間どもの存在とは関係なく、きまぐれに暴れるのでございましょう。

善も悪などというものは人のかってな思いこみなのでございましょう。
平常時にこそ善悪は幅をもつマボロシでありましょう。
大切なモノは何なのでしょうか。

震災から半年経過し、いまだ精神は病んだまま、いやさらに強い痛みをともなってひりひりと脈打っているのでございます。

  1. じわじわ胸が締めつけられるブログですね。
    夜の公園は恐いのですが、甘い誘惑もありますね。
    彼と飲んだ後に酔いさましに立ち寄ったものです。
    善悪ってほんとうにわからなくなります。

    ●十傳より→酔い覚ましのつもりが、ますます酔ったりして。別のものに。