06.23
モリオカの実家に帰り、そーですね、1時間もした頃でしょうか。
階下の玄関で藁草履をこすりつけて脱ぐよ―な物音がいたしました。
「出たな…!」
久しぶりの音でございました。
実家は幽霊が出るのでございます。
私メは一度も目撃しておりませぬが、みな「鏡に映っているおかっぱの女の子をみた」とか「足指だけ襖からのぞいていた」とか「白い服を着た男をみた」とか「いやいや私は…」と様々でありますが、極めつけはお盆に、突如として消えていた雪洞が点灯したというのがあり、それはその場にいる全員が見ているのであります。しかも雪洞には電源が入っていなかったというのでございます。
そーいえば、老母が、死んだ祖母の悪口を言っていた時、真っ赤な蛾が鱗粉をふりまきながら居間に踊り込み、老母にまつわりつき、果てはスカートの中にもぐり込んだこともありましたです。
昨年の夏も、同じようなことがございまして、「おばあちゃんが怒っているよ」とたしなめたものでございます。
私メは、しかし、玄関先での藁草履の物音しか聞こえないのであります。
それも、この数年はないことでありました。
階段をそっと降りましたが、やはり誰もおりませぬ。
雨の匂いが立ち込めているだけでございました。
モリオカ駅も雨、大通りも雨、そして実家も雨。
雨は、まだ4時だというのに日暮れのようにあたりを薄暗い幕で遮蔽し、それは一種独特の東北の淫らさを脳髄に沁みこませる薄暗さ。
旧家の古い屋敷に根をおろした霊魂が、私メを迎えているのかもしれませぬ。
不意に電話が鳴り、週末の法事の確認でございました。
柱という柱、板天上という板、床という床、思えば、生きている老母と私メよりも、死んでいった者たちの多いこの家には、死者の生きていた体油がしたたるほど沁み込み、交わっては生まれ、そーして死んでいったに違いなく、ひそひそとそういう生前の想い出を語りあっているよーにも感じるのでございます。
なぜ、先生は、
盛岡ではなくモリオカと表すのですか?
●十傳より→モボーリオと心では読んでいるのであります。それでは意味不明なのでモリオカと。
モボーリオ…イイですね。イーハトーブの響きですね。
●十傳より→日本ではない北欧のどこかの架空の小さな街であってほしいのであります。
先生、いつもお世話になります。
お化けネタなので、コメントしなければいけないかな
と思いました。
歴史ある、お家にお住まいなんですね。
お化けも肉親のいいお化けなら、いいんですけど。
知らない他人のお化けは、いろいろ悩まされ困ってしまいます。
わたしに取り憑くお化けに、競馬を買う時、勘を狂わされる。そんなイメージです。
●十傳より→ただのボロ屋敷なのですが、拝んでもらったら、むかし貸家に住んでいた人だの、お手伝いの女の人の霊も混じっているとかでありました。逆木の柱はないのに家鳴りはしょっちゅぅであります。競馬はしないほうが安全だということでハズれるのかも。
さすが先生のご先祖様は凄いです
雪洞にまで灯りをともしてしまうなんて
余ほどのパワ-と集中力がなければ ソコまではできません
それにしても ご先祖様は何を言いたいのでしょう
ただフザケテイルとは思えませんし
なんとなくですが、たった一人のご先祖様が何かを訴えていて
その影響で他の霊魂たちも落ち着かないのではと思いました
でも、毎日賑やかですね
お母様も 一人暮らしであって 一人ではない
どうせ同居しているのであれば
お母様の具合がわるくなった時、皆総出で看病してくれるといいのですが
●十傳より→あの世から手招きされる、という場合もあるかもであります。
十傳先生
面と向かって?幽霊さんとご対面したことはないですが
若かりし頃は毎日のように
金縛りにあったり身体が宙に浮いたり…
得体の知れなモノと遭遇しておりました。
ところが30歳を過ぎるころから
プッツリと禍々しい現象は無くなりました。
図太くなったのか、
禍々しい現象をキャッチするアンテナの感度が悪くなったのか(-_^)
どちらにしても
あちらさんの世界が覗き見えるのは
気持ちのいいものではないですね (-。-;
●十傳より→とても気色悪いモノであります。が、見たい気持ちも山々なのでございますです。
先生ん家は大勢住んでますね!
子どもの頃からずっと、小さいおじさんを見ます。
幽霊やオバケとは違うみたいなのですが、
私の親指くらいの大きさで、顔はおじさん(笑)
目が合うと、ハッ!!と驚いたようにどっか行っちゃいます。
わからないけど、
次元とか、目に見えない境界線みたいなのがあって、
その境目が曖昧になるときがあるのかな〜なんて
勝手に思ってます。
●十傳より→あっ、それは福の神であります。家の安全を守ってくれる神様でありますから、大切にしてくださいまし。
福の神なんですか。知らなかった…。
先生、笑わないで聞いてくれてアリガトウ。
この話すると頭の方を疑われちゃうからあんまり話したことないんです。
親には心配されたり、ついには怒られたりして。
●十傳より→叔母が大病にかかったとき、やはり親指ほどのお化けがあらわれ「大丈夫だ」と告げたそうであります。その後、全快したのであります。
うちもいっぱいいるのです。
なぜなんでしょうかねえ。
そういう場所っていうのがあるものなんでしょうかねえ。
梅雨も過ぎれば恋しくなるんでしょうね。
●十傳より→お化けは家の四隅に棲んでいるとかであります。お化けを味方に付けてもイイと思いますですよ。
先生お世話になっております。
ずうっと気になってた事があります。
八方除けの卯のお札が結構な頻度で壁から剥がれます。まさか画鋲で刺す訳にもいかず、セロテープで貼ってます。セロテープを延長して画鋲で固定しても、お札だけポロリと剥がれ落ちます。
これはその方向には行ってはならぬぞ、との暗示なのでしょうか?そういえば敵国の方角でもあります。
それとも、他に何か意味ありなのでしょうか?
すごく気になってます。ご教授いただければ助かります。
●十傳より→敵側からすれば、酉の方角にあたりますですよね。そのお札だけ額縁に入れ、強固にするってのはド~でしょうか。
ありがとうございます。
そのやうに致します。
所で先生は エギレス は敵国視してますか?
●十傳より→接点のないお国なので何とも…。鼻の頭の赤い人種だとは思っていますです。
自分、独身主義なんですけど幽霊の嫁さんなら大歓迎です。
もし小野先生が、お手伝いの女の人の霊にお逢いになったら東京のよこしまの所に行くようにお伝え下さい。
おかっぱの女の子でも働き者ならば『可』です。
よろしくお願いいたします。
●十傳より→大丈夫であります。はじめは新聞紙を跨ぐような野生児を正しく躾るなど嫁入り修行をさせて親元に返すわけでありましたから、どのお手伝いさんのお化けも働き者でございますです。
小野先生お世話になっております。
皆様、結構ご覧になられているのですね。すごいです。
私は全然です。奇妙な夢見る位です。
一回だけ、3年前、就寝中に気配を感じてパチッと目をあけると、
羽がはえたような人の形…顔等は見えず…
黒い人影の中に、赤色の水面がゆらゆら煌めいているような
形容しがたいお方を見ました。
これは私の脳みそが見せている幻覚じゃないかと考えられるくらい
意識もハッキリとしていたのですが、なかなか消えないし、
何されるわけでもなかったので、最後は私の夢を叶えてくれ!
…と言ったら徐々に消えました。
これはなんだったのでしょうか?
●十傳より→お化けは意識の残像かもしれませんです。