2010
10.31
関東に戻りまして、岩手県で買ってきた、辛み大根をさっそくオロシにしておるのでございます。
この紫色がなんともイイ感じではありませぬか。
紫色ではなく白いのもありますが、やはり紫色の方が趣があるようでございますです。
あとは蕎麦をゆでるだけ。
つまり辛み大根は薬味に用いるというだけの話なのであります。
なぁんだぁ、とお思いでしょうが、ほとんどの蕎麦屋でコレを使わないのはどういうことなんでしょうか。
こういう具合に、けっこう多めの辛み大根です。
これを蕎麦にのせて、すするわけであります。
刺すような辛さがたまりませぬ。
蕎麦のタレは、寒かったものですから、鶏肉でダシをとって暖かなものにいたしました。
大根はギャンブラーや芸能関係者からは「当たらない」と言われて敬遠されているそうでございます。
大根で食あたりにはならないところからの由来とか。
でも、悪いことにも当たらないと解釈すればいいのであります。
悪いことが起こっても、宝くじで三億円を射止めたいという気持ちはじゅうしゅう分かりますが、その当選確率たるや唖然とするほど低いのでございます。
ならば、当たらなかった原因を「辛み大根を食ったから」にかぶせて、まずはご賞味して欲しいのであります。
白いヤツならスーパーで見かけたことがありますから。
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2010
10.30
モリオカから東に宮古街道をクルマで30分ほどのところに区界(くざかい)というところがあります。
そこの道の駅。
ただいまの気温3℃でございます。
ここは兜明神岳という標高が高い場所なので、とくに寒いのであります。
道路には雪はありませんが、周囲は真っ白。
クルマの窓ガラスは曇るのであります。
となりの建物の屋根にも雪が…。
季節はごういんに冬へと驀進しているのではないかと思います。
この道の駅で、鮭の皮でてきた「栞」を買いました。
なんでも、鮭は「避け」に通じ、災難よけとか。
岩手県では、鮭を「しゃけ」ではなく「さけ」と発音するのでございます。
栞をビニールから取り出したら、生臭いのでありました。この臭みを何とかしなければ売れますまい…といいながら買ったのでありますけれど。
ここで、「辛み大根」を発見したのでおもわず購入。
四個で百円。
ご存知でしょうか? 辛み大根を。
いずれ、UPいたしますからご期待ください。
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十傳の日記 /
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2010
10.29
枯れ葉の舞う旧道をクルマで走っていましたら、このような古い旅館が朽ちておりました。
橋も錆びて、きしむのでございます。
心落ち着く眺めでございます。嬉しくなり、雪のかかった草をわけいり、壊れた窓から廃墟へと入り込んだのでした。
廃墟ブームなそうですが、自慢ではありませんが、私は学生の頃から、こういう枯れたものに興味があり、松尾鉱山跡や蛇の島遊園地跡などをカメラに収めております。
ブームになってからは、もっぱら、こういう一般旅館の廃墟探し。
旧道を二時間も走らせての発見でありました。
人の手が失われると、住居はすぐに荒廃するものであります。
人の運命もまた同様。
我々は荒廃から逃れるために、日々、飯を食い、勉強や仕事をしているのかもしれません。恋愛はそれに色を添える花といったところでしょうか。
しかし、ほとんどの人々は、この廃墟のような心の荒廃を、どこかで予見しているのかもしれません。それは悪い予感というのではなく、遺伝子のように心に種となってばらまかれ、たとえば誰からの連絡も途絶えたりすると、その種子が心の中で芽をふき、白い根をはわせるのでございます。
かつては、ここで大勢の人間たちが笑ったり、酔っぱらったり、生殖行為をいたしたり、あるいは憎んだり泣いたりしたのでありましょう。
そのすべてが失われ、妙な人の名残りが染みついておるばかりです。
おーい、と呼びかけると、この廃屋旅館の奥の方でクスクスと笑う子供の声が聞こえそうでありました。
なので
「おーい、おーい」
と声に出してみましたが、なお深いしじまに包まれるのでありました。
もしかすると、私は自分の心の廃屋にむかって呼びかけていたのかもしれませんです。
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