05.11
雨ともなるとぬかるんで、すっぱねの泥を上げていた頃が。
そして、今年になってから老いた旧友の姿を見かけることが多くなりまして、ますます当時のオショシイ記憶が鮮烈によみがえるのであります。
「しっぱいしたぁ…!」
と、一人寝床で頭を掻きむしりたいほどの赤面の記憶であります。
そのひとつに、そう、ラブレターがございます。
眠れない、眠れない、おまえにむずむず~♪
と声の限りを歌っていた時は、まさか45年後に滑稽なまでの羞恥の種になるとは思いもよりませなんだ。
小鳥のような少女に想いを寄せて、手紙などしたためた、そんな過去なのであります。
いまさら羞恥するほどの問題ではなく、青春の淡い思い出の一ページとして美しく心に飾ればイイのでありますが、
たまに、
「そーいえば」などと、その頃の女学友に切り出され「ホコちゃんは、えらそーよ」とニヤニヤされたりいたします。
ホコちゃんというのが、私メが心を寄せていた少女だつたのであります。
「オノくんからの手紙を見せてもらったわよ」
ホントかよ!
片想いにハートを焦がした過去は、それはそれとして別段かまわないのでありますが、こう叫びたいのであります。
「いまは、そういう気持ちは一切ないから」と。「もう普通にしか思っていないから」と。「鬼の首でもとったよーに騒がないでほしいのさ」と。
老年に達してまで話題にすべきことかと、アホらしく、返事をすることすらバカバカしいのでありますが、もう好きではない相手に、「まだ気がある」などと思われるのが忌々してのでございますです。
なんでいまさら、こういう愚かなことで羞恥しなければならぬのかと、自分で自分の頭を噛みかみしたいのであります。
ちがうちがう、オレをそこの時点で評価してくれるな。評価の原点を、その手紙においてくれるな。
45年の歳月がたち、たまに、みんなと飲むとき、ホコちゃんが、私メに対して優位な立場で語りかけるのも癪でありますです。私メは私メでヘンに萎縮した応対をするのは、その手紙の件があるからであり、いまなお好意を抱いているからでは、けっしてけっしてありませぬ。
そこを分かってくれ~!
茅ヶ崎の東海道線の脇に咲く、ちんけな花が咲いているのであります。
ちんけな花はかたりかけます。
「お年だねぇ~」と。
ちんけな花はさらに語ります。
「もしも、彼女に迫られたら?」
いやだ、ぜったいに、ぜったいに応じない。応じるわけがない。応じないはずだ。応じるものか。応じないぞ。応じたくない。応じられるか。……えっ。
昔話ばっかりですね。
十傳より→未来の話は、もっとオショシイ年齢でありますです。
と、言われたら落ち込みますよね。
高校の校歌を同窓会で歌ってる人たちみたいです。
●十傳より→校歌を忘れたふりして歌うのでありますです。
そーか。ラブレターを出した方が不利なのか……
あ、いや、「女の子に出した」方が不利なのか?
そういえば、幼馴染みの女の子と交換日記をしていて、好きな男の子の名前を書いたら、たちまちのうちに他の子にバラされましたっけ。くわばらくわばら。
もう行方をくらませていますから絶対に来ないはずですが、万が一同窓会の便りなぞをどうにかこうにかして届けられたら、ビリビリに破り捨ててやらねばなるまいと再決心いたしましたです。
●十傳より→老後の財産にするな! とね。
小野先生の財運四柱推命術読んでいるんですけど、私は若いころからずっと沐浴運みたいです。若いころは男を見る目無くて、恋愛で痛い目にあったんですが、中年になってから、結婚にはつながらないんですが、いい異性が寄ってくるようになりました。失恋して男なんてなによ!と男嫌いの態度取るより、男性とは積極的につきあったほうがいいですね。結婚を意識しなくなったら、男が寄ってくるようになりました。
●十傳より→結婚は人間が勝手に決めたヤツでしてね。男と女はそれ以前の関係なのであります。
先生は文才がおありになるから、
美しい恋文を認めたのでしょうね…
ところで、
こっぱずかしい
と
おしょしいとの使い分け教えてください!
●十傳より→オショシイは舌を噛んで死にたくなる、消え入りそうな恥ずかしさでありますです。こっぱずかしいは他人をぶん殴りたい攻撃的な羞恥であります。
私が開運するのは毒親が死んでからのようです。最近はもう早く死んでくれ、と思っているですが、長生きしそうなので、今年中に親の反対振り切っても親元を出ようと思っています。本当に娘の幸運を吸い取って長生きする親なんで、このまま一緒にいると私のほうが早死にしそうです。
●十傳より→はやくはやく。
地方語のお勉強ができました、
ありがとうございました‼️
●十傳より→いつでもどーぞです。