03.23
スペインにて買ってきた腕時計であります。
定価の半額で、しかも、もう一個時計がプレゼントされるというので、これは儲けたとばかりに飛び付いたのでありますが、まんまといっぱい喰わされたのでございますです。
この時計、動いたり止まったり、うっかり信じると30分も遅れたりという、信用することのできないシロモノでありました。
ですから左腕にはちゃんとした時計。右腕にはこの時計をはめているわけであります。
ダマされたと言えば、それまででありますが、時計屋に持っていきましたら「ちゃんと動いてますよ」と戻されまして、それからいたく気に入っているのであります。
けれど、いちど信用できなくなった時計は、可愛くても、どこまでも信ずることはできませぬ。
昔のことであります。
ひとりのホステスちゃまに恋をしたことがありました。
いいムードでした。
ところが、彼女は数人の男と付き合っていまして、私メがプレゼントした服でラブホに行ったりしていたことが分かったのでありますです。
いまなら、それはそれで官能の刺激剤となるのでございますが、当時は、まだウブでありまして、嫉妬というか、そういう感情に苦しんだモノでありました。
「仕方ないのよ、お客さんだから」
と、なっとくのいかない弁解に怒ったりもいたしました。
その彼女がこんどは一人のお客と海外旅行に行くのだといいだしたものですから、私メの苦悩はそうとうでありました。
旅行する当日に、空を眺めていましたら、上空を旅客機が北へと飛んでいくのであります。
ああ、この飛行機に乗っているのであろうかと、胸がかきむしられる思いでありました。
夜も寝られない経験を初めて知ったのでございます。
そこで仕方なく、別のお女性を誘い、乱れた数日を過ごしたわけでございます。
で、帰国した彼女に「オレだってさ」とお客と旅行したことなど気にしていないという意味を込めて、告白しましたところ、
「そんな男だとは知らなかった。裏切り者!」
と罵られたのであります。
どんなに好きで好きでたまらなくても、もはや彼女を信じることはできないのでありました。
後年、そう10年も経過しましてから、
「わたしね、さいごの頃は、オノさんだけだったんだよ」
と告げられても、そして、そのことをたしかに理解しましたけれど、
「他の男たちと遊んでいたスリリングなキミが好きだったかもね」
としか応じることはできなくなっておりました。
そして、若かった自分を恥じたり、苦笑したり、懐かしんだり、二度と純な頃には戻れなくなっていることにも、どこかで満足しているのでございますです。
右腕の時計は、気まぐれな不正確なゆえに、なかなか手放すことはできないのであります。
いやあ読ませますねえ
●十傳より→えへへへっ。
若かりし頃、男の純情というものは、
女性にとって押し付けがましくて暑苦しいものだと理解しました。
度が過ぎるとストーカー扱いでございます。
強すぎる愛は分散したほうが良いみたいです。
●十傳より→12星座でお女性を確保すると勉強になりますです…というよりも、春であります。daiさん、郷里に帰ってますか? 柳川の春は最高ですありますよ。私メは春は九州に毎年、行くのであります。いま予定を立てていますです。
九州新幹線で回ってみるのも楽しそうです。
博多駅もリニューアルして活気があるみたいでございます。
たまに帰らないと気持ちがささくれ立ちます。
あー、立花のごぼてんうどんば食いたかです。
●十傳より→今日も、川下りの船頭さんは民謡の渋い喉を披露しては「拍手~!」と北原白秋のシャレをつっこんでおりますでしょう。妻夫木聡もご同郷とか。
その昔、高校生の頃から長く付き合っていた人がいましたが、
カレの方に好きな人ができて、あっけなく終わってしまいました。
その後、別れてしばらくしたら、「お前には本当に申し訳ないことをした」と、酔っぱらっては何度も電話がきたことも、懐かしい思い出です。
…と言いたいところですが、
つい最近、共通の友人から、「まだあんたに申し訳なかったって言ってたよー」と聞き、かわいそうになってしまいました。
だって…
わたしも一度だけ浮気したから。
付き合い始めたのが高校生だったから、もちろんお互い処女と童貞で、
「このままお互いしか知らないままで結婚とかしていいのだろうか」とか、
「他の人のセックスってどうなんだろう」とか、
そんな気持ちで。
もしも会ってお話しする機会があったら、
「もう、そんなふうに思わないで。わたしだってね…」
と、告白しようか迷ってます。
意外に、「そんな女だったのか!」って激怒されたりして。
●十傳より→同窓会的な復活セックスもオツなモノでありますですよ。「肉がついたんでないの?」「あんや、あんたもだえんちぇ」などと評価しあいながら「あんや、いず、こったなテクを身に付けたのぉ、興奮するえんちぇ、こったにやさしくチョされたら」と重厚な官能にのめっていけるのは、けっこう麗しきものだとぞんじそうろうでありますです。
アハハ…
十傳劇場、おっかしぃー。
いえいえ、逢う気はありませヌでーす。
いまだに罪悪感に縛られているカレが、実はわたしが不貞を犯していたと知れば楽になれるんじゃないかなって思っただけです。
それに…
カレは下手っぴぃだったんですよ。早撃ちだったし。ふふ。
では、いざ王将へ。
ラーメンとチャーハンで決まり。
●十傳より→男には罪悪感なんてありませんですよ。もう一発したいがための演技だけでありますです。王将は焼きそばもイケますです。
えー、そうなんですか。
なーんだ。
じゃ、かわいそうなんて思わなくてもいいかな。
王将の焼きそばおいしいですよね!
今日は久しぶりのチャーハンおいしかったー。幸せ。
●十傳より→王将のお下品なお味を無性に欲することってありますですよね。まるでサカリがついたみたいに。
とにかく、男の人の方が純粋で単純であると、40代半ばの人と、14歳になろうとしている我が長男を殆ど同じ目線で眺める私でございます。
尊くもあり、いとおしくもあり、世間知らずに思えてみたり、
「好き」だけで成り立っていけるものでもないのに、
単純で純粋な男性の恋心は不可思議にも思えております…
●十傳より→いいえ男は、好きだけで成り立つと思っているのでありますです。だから、隠れた恋を求めるのでありますです。むせかえるほど濃密な官能も。
解ります”。 とにかく納得です”。
その情熱に押し流される事を望まなかった自分が冷徹に思えてなりません…
●十傳より→流されず踏みとどまれる種類の関係というものもあるのでありますれば。
もっと、分かりやすく嫉妬してくれたら嬉しいのにと蟹座の男に思ってみたりします。流されず踏みとどまれる種類の関係というのは、私には「それほど好きではない、手に入れるほどではないのでしょ?」と思えてしまうのですが、どうなのでしょう?
●十傳より→恋の初期段階は一種の勝負かも知れませんです。どちらが嫉妬するかという。ふいにメールをしないとか、約束自他カンに遅れるとか、そういうことをして心理的に揺さぶるわけであります。ですから「いいえ、真心で接します」という人は、この勝負に負ける運命でして、主導権を相手にとられ、そこで悩むのであります。嫉妬を制したものが、恋を楽に愉しむことができるという寸法でございますです。