05.07
昨秋に植えた、ミカンの苗木が成長し、おさない乳首のような蕾をもっていたのでありました。
なかなか土に根がはれず、いちじは枯れたようになっておりました。
そこで、根元を踏んづけてやったのであります。
樹木はしょうしょう傷めつけることで生命力が目覚めるようなのであります。
そうして、ぽっかりとした蕾を愛でることは、しあわせの、もうひとつの形ではないかなどと哲学するのでありました。
お金とか名声とか、占いでは、とくに東洋占術においては、この二つを柱として判断するのでありますけれど、どーでもいい花の蕾が自分の庭にふいているのもまた、いいものであります。
結婚したお女性が肉のあつい背中をかがめて、蕾をもった樹木を眺めるのは、遠目に見て、どこか色っぽいのであります。
しかし、であります。
独身のお女性が、花を眺めて幸せを感じるのは、ちと悲劇的というか、悲壮とまではいきませぬが、憐憫を感じてしまうのは私メの差別的な見方でありましょうか。
「ヒトリシズカが咲いているね。この花大好きなの」
と草むらにかくれるように咲く花をかがんで眺められても、男は、そうだね、すごいねと大喜びで共感することはできませぬ。
「春も終わりだね」
と、花ではなく、季節の移り変わりのような全体を感じるのが男かもしれませぬ。
そんなことよりホテルに急ごうよ、と男女の肉の花をたしかめたくて、野に咲く花に目を止める余裕などないのであります。
そういう男どもも、わが身が枯れてきて、はじめて花の存在を意識するのでありましょう。
紫陽花も雨の季節をまっているようです。
次の季節、次の季節と、花々は咲いては枯れて、季節はめぐるわけでありますが、そういう花の運命を身近に感じていると、なぜか縁遠くなるようであります。
恋はいずれ散っていくものという意識が心の深部に刷り込まれるからなのでありましょうか。
「お金持ちと結婚したい」
と現実的な価値観をいだくお女性の方が、充実した恋愛をする傾向が強いようであります。
お金という肥料、世間体に恥ずかしくないという環境…。花を愛でるのではなく、自分自身を花にしようとする無意識が、恋を引き寄せるのではないかとも思われるのでございます。
それでも、花に囲まれるという期待は、もうひとつの幸せを思わずにはいられませぬ。
いやだ!先生、私は小さいお庭の世話をしているから、いけないのかしら??すずらん、こでまり、クレマチスetc.を見て、心を癒しておりました・・・。
先生の御本にも書いてありましたよね。自分がキレイになるように努力することが大事です、見た目も重要です、などなど。自分なりにがんばっております。
最近、すこ~~ししかお付き合いしていない男性にお断りをしたら、男女の仲は忍耐力が必要なのにあなたはわがままだ、と言われました。まだ、そんな仲でなかったのですが。
どうしたら、じゅうじつしたれんあいができますでしょうか?
●十傳より→すずらんの観賞は悲しいモノがありますですね。ご自分をなにか派手目な花をイメージさせ、その花のような行動をしてみたら、たぶん男どもが群がってきそうな予感がいたしますが…。
虫よけのCMに出ているような肉付いい人妻が夜は買ってやったベビードール着て膝枕で耳かきなどしてくれる時どはほっとします。多少ひげが生えててもいい。
●十傳より→ズン胴の色っぽさはなかなか味わいがありますですね。
>花を愛でるのではなく、自分自身を花にしようとする無意識が、恋を引き寄せるのではないかとも思われるのでございます。
むか~し、花好きの女性は、自分に華が無いからだよと聞いたことがありました。
そうなんだ~と若き乙女のわたくしは思ったのでしたが・・・
私自身、生き物を飼うのは好きだったものの、植物栽培が大の苦手で・・・
それだけ生臭いのかしらん?
あ、ゆっくりと時間をかけるのが苦手ってことか・・・!?
●十傳より→部屋にたくさんの観葉植物を配置すれば、嫌でも自分が花になるかもです。観葉植物と同化する恐れもございますですが…。
花好きの女性が羨ましく思えた19歳の頃。
その頃の私は、それなりになかなか華やかな娘でした。
当時の彼氏が、よく花を持って来てくれたのですが、
その度に枯らしてしまい「ドライフラワーにすれば?」といわれ、
次に持ってきた鉢植えも枯らし、
「これなら大丈夫でしょ!?」と、その次の観葉植物も枯らし、
「じゃ、これは?」と持ってきたアロエ。今度は水をやり過ぎて腐らし・・・
ついに彼が持ってきたのは・・・・造花でした。
それから植物が可哀想になり、よそのを鑑賞するだけにしたのでありました。
それからン十年経った昨年の春。
引っ越した庭で、生まれて初めての家庭菜園に挑戦。
無難な紫蘇とバジル、オクラとかぼちゃ、小豆と大豆を蒔きました。
そして芽吹いた時、それはそれは感動いたしました。
お部屋いっぱいの観葉植物。。。同化しそうでございまする・・・。
十傳より→植物を枯らすお方は、優しすぎる傾向なのでありますです。植物の生命力に任せてもいいのかもと。
先生、イイコト書きますね。
花を育てるのが苦手なあたしメには、ありがたいお言葉でーす。
●十傳より→しかし、花を育てるのに成功すれば、もっとイイことが起こりそうでありますよ。
植えている花・植えたいと思っている花は、
曼珠沙華・紫花菜・アルストロメリア・水仙・昼咲月見草・ブローディア・酔仙翁・七変化・セージ・クリスマスローズ…
場所さえ間違えなければ、特別な手入れをしなくても毎年毎年咲いてくれる花ばかりです。
それらの逞しい花々が毎年咲き誇るのを見つめながら、自分に暗示をかけているのかもしれません。
来年も~
再来年も~
大丈夫っ!
まだまだイケてる!
いまだイケていると思っている幸せ妄想
+ プラス +
来年再来年の自分に向けての暗示かけ
おっしゃるとおり、この様では縁遠くなると思います。
●十傳より→花の精に精気を吸われ…いえいえ、花々に守られているようでありますですね。「植える場所さえ間違えなければ」の一言に、花を知りつくしている達人さを感じましたです。
派手目なお花ですね。この時期ですと、”バラ”とか”藤”かしら??
行動が肝心要とのこと。派手目な華の行動とは・・。
「お金という肥料、世間体に恥ずかしくないという環境…。花を愛でるのではなく、自分自身を花にしようとする無意識が、恋を引き寄せるのではないかとも思われるのでございます。」
このお言葉、今月の目標にいたしますです。
●十傳より→自分を花に見立てますと、ファッションの傾向に変化が起きたり、食いモノの好みも微妙に変化して、恋愛体質に近づくはずと思いのであります。