08.01
潮風療法というものがあるのかどーかはさだかではありませぬ。
さだかではありませが、効果があるとひとりで決めているであります。
海からの塩分を多量に含んだ風に、裸身をさらすことで、原始的なパワーが補充される。
モリオカ疲れがよういに引きませんので、短パン一枚で、海岸の道を自転車で走るのでありました。
夏空が広がっております。
入道雲というものは、不思議と郷愁をそそりますです。
海鳴りに音という音はかき消され、あるくほどの速度でペダルをふみますとなにかたいへんな忘れ物をしたような気持ちになるのであります。
電話が鳴りました。
横浜の中華街で占いをしている同業者からでありました。
用事らしい用事はなく、いっせきもうけるから、こんど飲もうというお誘いでありました。
最後に「西村先生も、たまに商売しているんだよ」
もう20年も前に断易を習っていた先輩占い師であります。
気学が頭から離脱できずに、ついに断易をマスター出来なかったオバちゃん占い師であります。
「先生、すこしボケたんだよなぁ」
御歳、70歳ちょっとでありましょうか。
「わたし、夢がありますの。どこかの校長先生と結婚して……」
と当時からおっしゃることが浮いていたのであります。
「結婚して、それで、校長先生が死んじゃうでしょ、先に。そしたら恩給や、年金ぐらしでウハウハよ」
あのオバちゃんがボケたのか…。
時は過ぎゆくのであります。
5年ほど前、突然にオバちゃんから電話がありまして、
「貸していたテープを返してくださらないこと」
と世間話もなにもなく、こう切り出されたことがありました。
講義のテープを借りたことがありましたが、お礼の煎餅の詰め合わせと一緒に返していたのであります。
台風の影響で、沖は黒雲。
潮風療法は即効性はありませぬ。
いちにち1時間程度、そうですねぇ、だいたい2週間は必要かもしれませんです。
「返しましたよ、たしかに」
と電話をきった、そのあとで、さるお女性との待ち合わせの場所に向かったのであります。
だから記憶に鮮明に残っているのでありましょうか。
あとになって、「そういえば」と想い出す、ある出来事の前にかならず現れる人物がいるものであります。
そのキイ婆ソンがボケてしまっては…。
こんな入道雲の海を見ながら、防波堤を歩いたことを突然思い出しました。
私は高校生で、埴輪似のカレシと、ぽっきんアイス(棒が2本刺さっていて、真ん中からぽっきん!と半分コできるアレです)をペロペロしながら…。
スゴイ…本当に本気で忘れていたのに、この写真を見たら突然、昨日のことみたいにパーッと鮮やかに光景が浮かびます。
埴輪くんの八重歯まで。
どうして忘れてたんだろう?
こうやって、いろんなことを忘れていってしまうのでしょうか…。
老いてボケるのが怖いです…。
●十傳より→忘れるのは怖いことですが、ある風景が合いカギになってリアルに想い出すのは、これは感動であります。いぜん住んでいた街をバスで通りがかったせつな、あまり親しくなかった仲間の名前を上から下まで想い出すこともあるのであります。
先生こんばんは。
お疲れ様でございました。
砂浜ですと20代の頃、彼と彼の友人達と海へ
お女性達は海へどぼん
男性達は暑い砂浜でマージャンが定番でございました。
●十傳より→焼けた砂の上で麻雀でありますか。我慢比べのようでありますね。あっちいチイとかポンとかやっている声が聞こえそうであります。
先生こんばんは。
お疲れ様でございました。
はい、男性達は暑さに耐えられなくなると海に入り、またマージャンの続き
お女性達は段々とつまらなくなり他の男性のみグループへナンパしに行きました。
あの頃は若かったなァ~と。
●十傳より→最近は麻雀はもっぱらネットでやるようでありますですね。静かで良ーございいますです。
高校生の時、鈍色の海を見ながら嗚咽しながら泣きました。
高校は4年も行き、「薬、やっているのか!」と兄に頭突きをくらわされ、
前歯ガ折れ、その後二階から奴を投げ飛ばしてやりました。
ちょいと酩酊しておりますです。
黒歴史でございます。
●十傳より→daiさんは、ソコ知れぬ殺気が魅力なのであります。薬くらいヤッてますよね。私メの時代はオプタリドンでありましたが…。効き目が弱く、ラリる演技がバカバカしゅうございました。
言葉足らずでした。
薬はやっておりません。
今では、スマイルおじさんに変身しております。
誰ですか・・・。
そこでクスクス笑っているのは?
●十傳より→いつ大魔神に変身するかわからないスマイルでありますですよね。
クスクス…
●十傳より→daiさん、わらっておりますですよ。
やはり、ぴょん太郎だったか。
マスターに
「マルガリータ、1つ」
って言ったらバリカン入れられた話。
●十傳より→特攻隊みたいになったのではございませんですか…。